テレビには不可欠なジャンルに、「おバカ」枠がある。バラエティー番組だけでなく、今では情報番組でもマスト。時代やトレンドに関係なく、おバカはいつの時代も必要なピースだ。
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)でも歴代おバカが生まれてきたが、ニュースターはTavis Japanの松田元太だ。2017年にTravisに加入し、グループは2022年10月に旧ジャニ初の配信シングルで世界デビュー。リーダーの宮近海斗は俳優として高い評価を得て、高学歴の川島如恵留はクイズ番組の常連。松田はバラエティー班に振り分けられた。
ブレイクのきっかけは、昨年放送された「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」」(フジテレビ系)だった。ジャニーズJr.時代からおバカすぎる天然エピソードにはコト欠かなかったが、番組で「九九が言えない」ことがバレた。
これがSNSでバズり、TikToker世代の女子中高生たちから「九九ニキ」(九九が言えないアニキ)と命名された。さらには「干支が言えない」「四国が言えない」と新たに発掘され、芸人たちが嫉妬するほどの爆笑をかっさらった。
「このドッキリ番組では、4年前にSexy Zoneの菊池風磨がブレイク。旧ジャニーズで初めてスッポンポンになり、『いま脱げるジャニーズ』というジャンルを確立しました。昨年は『マッサマン』として戦隊ヒーローに扮したSnow Manの向井康二がこれに続き、松田は『ドッキリ界の超新星』の位置づけです」(アイドル誌ライター)
天然でおバカという憎めないキャラの虜になったのが、菊池だ。松田とは昨年、自身の主演ドラマ「ゼイチョー~『払えない』にはワケがある~」(日本テレビ系)で共演。珍しく菊池が自宅にあげた後輩だ。
「菊池はYouTubeやテレビでは明るいキャラですが、本当は人見知りで猜疑心が強い。芸能人を自宅に招くことを好みません。でも松田が『僕、何もわからないんです』とまっすぐな目で訴えてきた撮影現場で意気投合し、食事をする仲に。計算なしのおバカがツボに入ったのか、自宅に呼んでいるのです」(前出・アイドル誌ライター)
「九九ニキ」が「脱ぎジャニ」のハートを射抜いた。今はただ、松田が一般常識を身に付けないことを願うばかりだ。
(北村ともこ)