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【森保ジャパン】格下の北朝鮮に「逃げ切り策」W杯最終予選に残した深刻采配

 2026年北中米W杯アジア2次予選。日本はホームに北朝鮮を迎え、なんとか1-0で勝利を収めた。W杯予選は結果が大事というが、誰がここまで苦戦すると予想しただろうか。

 アジアのサッカーは進歩している。韓国や日本に続けとばかり、中東諸国はもちろんのこと、タイ、ベトナム、マレーシア、インドなど東南アジア、中央アジアも次から次へとプロリーグが誕生。外国人選手はもちろん、外国人の指導者を招聘し、世界のサッカーを意識してチームを強化。それが代表のレベルアップに繋がっている。

 一方の北朝鮮はプロリーグがなく、国内リーグで外国人選手がプレーしているとか、外国人が指導しているという話は聞かない。国連から経済制裁を受けていることもあり、ヨーロッパでプレーしている選手もいない。

 4年ぶりに国際大会出場を果たした昨秋のアジア大会では、ベスト8に進出。その準々決勝で対戦したのが日本だった。北朝鮮は参加資格のU-24代表にオーバーエイジ3人を加えたメンバー。日本はパリ五輪を目指すU-22代表だったが、アジア2次予選と試合間隔が空かないため1軍半で出場し、北朝鮮に2-1で勝っている。

 今回の北朝鮮のメンバーもこのアジア大会に参加した選手が中心で、日本が負ける相手ではなかった。

 試合は前半2分、田中碧が先制点を決めると、日本がその1点を守り切った。ただ、試合内容は決してよくなかった。前半は、前からプレスをかけてくると思われていた北朝鮮が、4-4-2のシステムでしっかりと後ろでブロックを作ってきた。

 日本は足下へのパスばかりで、守られたら崩せないという弱点が出た。堂安律、守田英正にチャンスがあったが、決めきれなかった。

 後半に入ると、北朝鮮が前線から積極的にプレスをかけてきた。日本はそのプレスをかわすために、ロングボールで蹴り返す。北朝鮮は日本のクリアボールを回収すると、アジア杯のイラン、イラクのようにロングボールを入れていたため、ボールの蹴り合いになり、完全に北朝鮮ペースに。

 日本は73分に堂安に代えて谷口彰悟、南野拓実に代えて浅野琢磨、菅原由勢に代えて橋岡大樹を投入。3バックにしてロングボールに対応し、最終ラインを上げる。前線の前田大然、浅野のスピードを生かし、ロングボールの出どころにプレッシャーをかけた。

 アジア杯での反省を生かしたといえるが、ホームで格下相手に追加点を狙うのではなく、1点差を逃げ切る采配はどうだろうか。最終予選に向けて心配になる。

 3月26日に予定されていたアウェーの北朝鮮が急遽、中止になった。日本のグループは他に、シリアとミャンマー。昨秋のシリア戦は中立国サウジアラビアでの試合だったが、高額な放映権料を吹っ掛けられて地上波放送ができなかった。6月に予定されているミャンマーのアウェー戦だが、3年前に軍がクーデターを起こしており、決して安全とはいえない。

 負ける相手はひとつもいない。ただ、サッカー以外の部分で注目されている。早く最終予選進出を決めて落ち着きたいものだ。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

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