ドラマと映画で大ヒットした「踊る大捜査線」シリーズが帰ってくる。一大プロジェクトが12年ぶりに再始動して、新作映画が今秋に公開されると発表されたのだ。
主人公は織田裕二演じる青島俊作ではなく、柳葉敏郎扮する本庁キャリアの室井慎次。監督は本広克行氏、脚本は君塚良一氏、プロデューサーは元フジテレビ社長で現BSフジ社長の亀山千広氏が担当する。民放局スタッフが言う。
「テレビのCMスポンサー料が下がっている中で、ひと稼ぎしたいということでしょう。映画がヒットすれば、数十億円単位で収益が上がります。フジテレビは近年、『翔んで埼玉』がバカウケしました。埼玉、滋賀とシリーズが続いて、九州を舞台にした第3弾の企画が進行しています。テレビ放送だけでなく、映画事業も合わせて社業にしていく方向です」
フジテレビではドラマ「GTO」がリバイバルとなり、主演の反町隆史や窪塚洋介、小栗旬、池内博之、山崎裕太、藤木直人が再集結して4月1日に放送された。民放局スタッフが続ける。
「若手の制作陣が育っていないため、過去の作品に頼らないといけない、という現場の状況があります。新しいモノを生み出す力が小さくなっている。リバイバル作品であれば、ある程度は視聴率の計算ができて、スポンサーを取りやすい。反町も制作陣も番宣でいろいろ理由をつけていますが、近年ヒットドラマを出せていないことが引き金になっています」
過去の作品を掘り起こし、続編をビジネスにしていく稼ぎ方が、これから増えていきそうである。
(田中晃)