GW中に観光旅行に出かける人は多いことだろう。埼玉県の長瀞は都心からのアクセスがいい観光地だ。秩父鉄道のSL列車「パレオエクスプレス」に乗って長瀞へ向かうのは人気のルート。レトロでノスタルジックな気分は、ここでしか味わえない。
しかし、長瀞観光には「乗り換えの罠」が潜んでいるため、行くのであれば注意が必要となる。長瀞とパレオエクスプレスを楽しむ場合の旅程は、以下のようなルートになることが多い。
まずJR高崎線でパレオエクスプレスが出発する熊谷駅へ行き、SLに乗り換えて長瀞駅へ。長瀞で観光を楽しんだら、帰りは秩父鉄道から西武鉄道の特急「Laview」に乗り換えて池袋駅に帰ってくる。東京と埼玉に大きな円を描くルートだ。実はこの中に、誰もが陥りがちな罠がある。鉄道ライターが警鐘を鳴らす。
「秩父鉄道から西武鉄道への乗り換えは、秩父鉄道の『御花畑駅』で降りて、歩いて西武鉄道の『西武秩父駅』に行って乗り換えます。ところが御花畑駅のひとつ前に『秩父駅』がある。ここが乗り換え駅だと勘違いして、降りてしまうことがあるんです。もし秩父駅で降りてしまった場合、約30分後にやってくる次の下り電車に乗ることになります」
そのせいで西武の特急に乗り遅れたら、大問題だ。土日祝の夕方の上り特急は満席になることが多く、次の特急に乗り換えようとしても席がない、という事態に陥ることがある。
さりとて普通電車だと、飯能駅で乗り換え、約2時間かけて帰ることになる。観光で疲れた体にはキツイ帰路となる。家族旅行であれば、乗り換えを間違えた父親に、冷たい目が向けられることになるだろう。そうならないためにも、秩父鉄道から西武鉄道への乗り換え駅はしっかり把握しておきたい。
(海野久泰)