問題が起きたのは、テレビ東京で05年12月に特番が放送され、翌06年からレギュラー放送化された「懸賞伝説」という番組。
「メインMCは、05年の千葉県知事選に敗れ、浪人中だった森田健作現知事(69)でした。この番組は、森田さんの後援者だった佳代女史が、彼のメディア出演を担保するために企画したと聞いています。佳代女史は、ポスターやビラなど、森田さんの政治活動に関する印刷物を一手に引き受けていました」(テレ東関係者)
池田容疑者はスポンサー企業である「シーアンドシー」関連会社の代表であり、番組のプロデューサーでもあった。しかし、放送1回につき500万~1000万円もの制作費を、20回分以上も踏み倒したのだ。下請け制作会社の担当者に近しい関係者が、匿名を絶対条件に証言する。
「私の知人は何度も支払いを迫ったそうですが、そのたびに池田から『今、資金を集めているから待ってくれ』と言われたそうです。当然、自社の儲けはゼロで、作家などスタッフへのギャラも払えない。どうしても未払いにできない制作実費やタレント出演料などを立て替えて、最終的には2億~3億円の被害を被ったとか」
支払いはゼロではなく、一度だけ、50万円程度が振り込まれたそうだ。しかしその番組担当者は逆に、
「これじゃ『支払いの意志あり』と見なされて、詐欺で訴えられない‥‥」
と嘆いていたという。
「タチが悪いことに、支払い交渉の途中で、池田とまったく連絡が取れなくなったことがあり、周囲に確認したら、女絡みの事件で逮捕されていたそうです。交渉再開後も『裁判が終わるまで待ってくれ』と言われ、担当者は心労で倒れてしまった。そればかりか、その池田と彼に取り込まれたスタッフによって、『あいつが全部金を使い込んだんだ』なんて根も葉もないデマを流されて担当者は会社を追われ、結果的にその会社も倒産してしまいました。もちろん、未払いの制作費はそのドタバタでうやむやのままです」(関係者)
謎の自殺を遂げるのは、その関連会社に勤務し、この「もみ消し工作」に関与した人物の一人だ。
「騒動の数年後に電話がかかってきて、『自分が間違っていた。全て池田たちのでっち上げだった』と言うんです。『私の話を絶対に忘れないでください』と電話を切ったので奇妙に思って後日確認したら、電話の翌日に自殺していました。くだんの制作会社からシーアンドシーのグループ会社に転職した男、いわば池田の手先から膨大な接待費の肩代わりなどを要求されて、立ち行かなくなってしまったようです。事実であれば、池田の未払いが間接的に彼を死に追いやったとも言えます」(関係者)
未払いなどの事実や池田容疑者との関係を確認すべく、森田知事、鳩山氏、佳代女史に質問状を送付したが、唯一、森田知事をマネージメントする芸能事務所から、ギャラ踏み倒しとなった番組「懸賞伝説」について、
「ご指摘の番組に森田健作は出演しましたが、現在までに出演料は支払われておりません」
と回答があったのみ。
また、「株式会社シーアンドシー」の登記に記された池田容疑者の母・佳代女史の自宅を訪ねたが、「池田」の表札がかかった建物に人が住む気配はない。
美人歌手をめとり、永田町の大物とのパイプをひけらかしていた池田容疑者。忖度ナシの捜査で「余罪」を追及してもらいたい。