空想の中で作られた生き物なのか、あるいは実在する未確認生物なのか。10年に一度、(下ひと桁に)7のつく年に人類の前に現れる…そんな逸話があるものの、現在もなお謎が謎を呼んでいるのが、アメリカ・ミシガン州に出没するとされる「ミシガン・ドッグマン」だ。
見た目は人間に近いが、顔は犬のようだとされ、二足歩行あり、四足歩行ありと、目撃証言によってまちまち。近年では2022年5月、テキサス州の動物園の監視カメラに、二足歩行をする毛むくじゃらの怪物が映り込んでいたことから「ミシガン・ドッグマンがテキサスにも現れた」と地元メディアで大きな話題になった。UMAを研究するジャーナリストが言う。
「撮影されたのは、テキサス州ポッター郡にある『アマリロ動物園』の外周フェンスに設置されたカメラです。映像に残るその姿は一見、細身の人間のようですが、よく見ると尖った耳と長い鼻先が確認できる。垂れ下がった尻尾もありました。実は『ドッグマン』というのは、もともと想像上の生き物。それが実在していた可能性があるとして、CNNで大々的に取り上げられることになりました」
というのも「ミシガン・ドッグマン」はもともと、スティーブ・クックという人気DJが考えた、エイプリル・フールのネタ。ミシガンにもビッグフットのようなUMAがいたら面白いと、半人半犬の怪物を創造したことが始まりだという。
「DJはその怪物の物語を歌詞に盛り込み、『ザ・レジェンド』という曲を作って同僚DJのジャック・オマリーに提唱した。彼がエイプリル・フールにその曲を流したというわけです」(前出・UMAジャーナリスト)
するとオンエアからほどなくして、曲に関する問い合わせが殺到。しかもその多くが「あの曲で歌われている化け物を実際に見たことがある」というものだった。
ところが、騒動はこれだけに留まらなかった。2007年になり、ミシガン州でとある不動産売却が行われた際、その建物の中から発見された8ミリフィルムに、ドッグマンらしき怪物を捉えた映像が残されていた。1970年代に撮影されたと判明したものの、撮影者及び撮影場所は不明。
これがいつの頃からか「ザ・ゲーヴル・フィルム」と呼ばれるようになったが、その化け物がミシガン・ドッグマンなのかどうかは、わかっていない。
(ジョン・ドゥ)