スポーツ

北京五輪「世紀のエラー」G.G.佐藤に野村克也が贈った死の10日前の金言「お前の勝ちだ」

「超イージーフライですよ。捕った時、大歓声になったんです。こんなイージーフライで大歓声浴びたプロ野球選手、オレだけですよ」

 元西武ライオンズのG.G佐藤氏が、YouTubeチャンネル〈テレビ朝日スポーツ【公式】〉(5月25日)でそう回顧したのは、現役時代の楽天戦だった。なぜ大歓声だったのかといえば、2008年の北京五輪にその理由があった。

 準決勝の韓国戦、3位決定戦のアメリカ戦での失点につながった「世紀の落球」と呼ばれたアレである。星野仙一監督率いる日本代表は、4位に終わった。

 問題の楽天戦は、その直後の試合。それだけに、観客は固唾を飲んで見守り、大歓声に変わったのだと、自虐を込めて明かしたのだった。五輪直後はいたたまれない日々を送っていたことだろうが、名将・野村克也氏の言葉に救われたのだという。

 佐藤氏は中学時代、野村氏の妻・沙知代さんがオーナーを務めていた「港東ムース」に在籍していた縁があり、野村氏は佐藤氏にこんな言葉を贈った。

「確かに北京五輪でお前はエラーをした。でも、人の記憶に残っているのは誰だ。星野とお前だけだ。人の記憶に残ることがどれだけ大変で、素晴らしいことか、わかるか。お前の勝ちだ。その経験を生かして生きていきなさい」

 なんと、その10日後に野村氏は他界。再び佐藤氏が振り返る。

「何かのメッセージかなと思って、それからですよ、こうやって自虐ネタをぶち込み出したのは。今はあのエラーも、あってよかったなって思えるようになったんで。事実は変わってないですが、自分の捉え方によっては過去すらも変えられるんだって教えてくれたのは、ノムさんです」

 晴れやかにそう語るのだが、野村氏もまた、我々の記憶に残っている。

(所ひで/ユーチューブライター)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論