2020年2月11日、84歳で他界した野村克也氏。多くの優れた教え子を野球界に輩出した野村氏だが、その1人、元メジャーリーガーで、阪神タイガースでも活躍した沢村賞投手の井川慶投手が、野村氏を懐かしく振り返る番組があった。
美しすぎる女子プロ野球選手こと加藤優のYouTubeチャンネル〈加藤の優チューブ〉、4月10日投稿の〈【対談】沢村賞投手・井川慶選手に加藤優が質問ストレート〉にゲスト出演してのことだ。
この番組では、女子プロ野球選手にとどまらず、シンガーソングライター、2020年からは横浜DeNAベイスターズのベースボールスクールのコーチにも就任し、マルチな活躍を見せる加藤が、モチベーションの保ち方、女子野球界の在り方、メジャーリーガー大谷翔平の二刀流の印象など、井川を質問責めにするという内容だった。
大谷については、「夢がありますよね。ピッチャーならピッチャーだけが普通で、そのための生活をするんですけど、彼は規格外!バッティングしてピッチングするって考えられない。体格にも恵まれてますし。自分はファンとして見てます」と感心しきりで答えた井川。
そして話は野村氏に移る。井川が2年目の年から阪神タイガースの監督に就任した恩師・野村氏との思い出は…。
「キャンプ中はよくミーティングをした思い出がありますね。野球以外にも、〈人間とは?〉といったところから勉強するというか、すごいタメになりました」
「野村さんの思い出に残っている言葉はありますか?」との加藤の質問には、
「2001年シーズンが終わった時に、『よう頑張った』と初めて褒められたことが思い出に残ってますね」
「試合で良いピッチングされたからですか?」
「トータル的に、1年間ローテーション守り続けて、ケガなく過ごせたんで」
と、井川は防御率リーグ2位に輝いたこの年を懐かしそうに振り返り、こう付け加えた。
「野村監督がよく言われるのは、三流は無視、二流は称賛、一流は非難。最初は無視っていうか、そういうレベルじゃなかったんで、何もなかったですけど、初めて褒められたので、やっと第二段階までいったかな、と。でも第三段階まではいかなかったですね」
野村氏の教え子といえば、真っ先に元ヤクルト監督の古田敦也氏が浮かぶ。彼は紛れもなく一流だった。一時期噂された野村氏との確執は、野村氏の“期待を込めての非難”が原因ではなかったか。今となっては古田も懐かしい思い出だろう。あの世から野村氏の「わかればいいんだ」とボヤキ声が聞こえてきそうだ。
(ユーチューブライター・所ひで)