5月24日に引退会見を行ったアイントラハト・フランクフルトの長谷部誠をめぐっては、引退表明直後から日独両国が「争奪戦」を繰り広げた。結局、本人は「アイントラハトのU-21コーチに就任します」と、その去就を明かした。
長谷部は言うまでもなく、日本代表としてW杯3大会に出場し、歴代最多となる81試合で、主将として活躍したレジェンドだ。常に沈着冷静で「優等生」のイメージがあるが、静岡の藤枝東高校から入団したJ1浦和時代に「かなりのヤンチャ」でならしたことは、あまり知られていない。長谷部の浦和時代を知る日本代表OBが明かす。
「レッズに入団した頃は髪の毛を茶色に染めていて、結構なチャラ男だった。六本木などで、深夜までよく飲み歩いたね。いろいろ『ヤンチャ』もしたよ」
周知のように、長谷部が26歳の時に出版した著書「心を整える」は大ベストセラーとなり、優等生イメージはさらに高まった。このOBによれば、
「浦和のOBからは『どっちが本当の長谷部なんだ』という声が出ていたほどで…」
引退に際し、アイントラハトから「所属するからには、いつまでも現役でいてくれて構わない」という終身契約を提示されたという長谷部。本人も「やろうと思えば、まだできた」と話したが、40歳という節目もあって引退を決意したようだ。
ヤンチャか優等生か…コーチになった長谷部がどちらの顔を見せるのか、浦和のOBのみならず、興味津々なのである。
(小田龍司)