芸能界に「恋愛未経験ブーム」が到来のようだ。
どこまで信じるかはさておき、6月4日に放送された「上田と女がDEEPに吠える夜」(日本テレビ系)では、昨年12月にHKT48を卒業した田中美久が「恋愛経験が一度もない」と告白し、視聴者の関心を集めた。
この日の番組で展開されたのは、「恋愛できない女の悩み」をテーマしたトークセッションで、田中のほか、元SKE48の須田亜香里など、「恋愛経験が少ない」ことを自負するタレントが参加した。
田中に恋愛経験がなかったのは「私は小学6年生からアイドルをやってきたから」という理由のようで、そのために警戒心が強くなったと言い、飲み会にいるような男性は「無理なんです」と突き放している。
さらに、田中はキスも未経験だと話し、「私もキスしたい。キスしたいし、ハグもしたいし、なんなら一緒に寝たい」と、視聴者が赤面しそうな大胆発言もしてしまった。それでも、結婚が前提でないと男性とは付き合えないと語り、付き合う前に10回はデートを重ねたいと、恋愛に対しては真面目に考えていることを強調したのだが…。
ここで、アイドルに詳しい芸能記者が話す。
「一部を除いてグループアイドルブームが去り、港区女子を筆頭に、突如として元アイドルたちの『実は彼氏いました』『いろんな人から誘われました』という、バラエティーで何でもぶっちゃけブームが始まりました。元ファンは怒ったり失望したり、でも一般視聴者はむしろ楽しんだりと、ネタとしては『あり』だった印象です。しかし、それも飽きられたと言いますか、現役アイドルたちまで白い目で見られることにも繋がることから、やはり批判は絶えませんでした。そのカウンターカルチャーと言ったら大げさですが、『恋愛未経験』『恋愛に奥手』を謳う、元アイドルやタレントが増えてきた印象です」
つい先日も、子役出身の俳優・本田望結がラジオ番組で恋愛経験がないことをカミングアウトし、リスナーから心配の声が集まっていた。
ファンからすれば、「彼氏いました」とぶっちゃけられるより、恋愛は未経験と聞かされるほうが「夢」は持てる。だが一方では、本当に真面目に恋愛禁止のルールを守って、男性と付き合わなかった優等生ほど、アイドル卒業後に「恋愛難民」となる現実は少なからずあるという。正直者がバカを見るのだけは気の毒だ。
しかし、この「恋愛未経験ブーム」がバラエティーで加速するようなら、またいろいろと問題が起きそうだが…。
(権田力也)