シーズン序盤は借金生活に苦しんでいた千葉ロッテが、ようやく息を吹き返している。優勝した2005年に記録した12連勝以来、19年ぶりとなる11連勝で、クライマックスシリーズ出場圏内に浮上してきたのだ。
この11連勝というのは、決して容易な数字ではない。直近10年を見ると、セ・パ両リーグで11以上の連勝は11例である。
ちなみに、この延べ11チームの最終順位の平均は1.7位。優勝まで漕ぎつけた例は7度あり、優勝確率は63%。これはロッテファンにとって心強いデータだろう。
一方で、11例中Bクラスで終わったことが2度ある。2019年の広島と、2022年の楽天だ。
広島は5月に11連勝して、一気に首位へと駆け上がった。ところが、交流戦で大失速。リーグ戦に戻った直後に11連敗と、乱高下の激しい戦いぶりで、結局4位に終わっている。
楽天の場合はどうか。5月に11連勝し、首位を独走するかと思われた。しかし同じ月に2度の4連敗を喫するなど波に乗り切れず、終わってみれば4位という結果だった。
いずれのケースも、大型連勝で作った貯金を同規模の連敗で吐き出してしまったことが響いた。今季のロッテも4月に7連敗を喫しており、11連勝したといっても、差し引き「貯金4」。
安定した戦いぶりで首位を走るソフトバンクの背中は、まだ見えていない。確率63%の仲間入りを果たすか、あるいは広島や楽天の「三の舞」となるか。正念場はこれからだ。