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マークシートの賭け式は「1/1・1/2・2/2・1→2・3/3」/世界「旅打ち」行脚~韓国競輪(上)

 海外での旅打ちは、コロナ禍の2022年に出かけたパリのロンシャンと障害競走専門のオートゥイユ、ずっと前のシャンティイの、3つの競馬場。その他では韓国の競輪に2度、出撃している。今回は番外編で、韓国競輪の旅打ちレポートだ。

 韓国で競輪が始まったのは1988年。その後、日本と韓国の親善競輪が1998年に初めて小倉競輪場で行われ、途中から「日韓対抗戦競輪」と名前を変えて、2017年まで計5回行われた。

 当時は競輪の日韓戦として話題になったが、コロナが蔓延したこともあり、今は韓国でもまだ競輪をやっているのか、という程度の認識になってしまった。

 ところが、俳優で作家の中村敦夫さんと昨年、宇都宮記念競輪(GⅢ)に出かけた際のこと。韓国人の賑やかな一団が隣りにいて、韓国でもまだ競輪をやっているのかという話になった。

 一団は競輪の視察団だった。それ以降、韓国競輪が気になっている。今回は2017年、2度目となったソウル郊外にある光明(クァンミョン)競輪場に出かけた時のことを書きたい。

 ちなみに、韓国には光明の他に、昌原(チャンウォン)と釜山(プサン)という2つの競輪場がある。

 初めて韓国に出かけて驚いた。こちらが準備していないこともあって、言葉が何も通じないのだ。歴史的な流れでいえば、1970年に漢字廃止宣言が出され、時を経て街中から漢字が消えてしまった。少なくとも7年前は英語表記などもほぼなかったので、ハングルがわからなければ、街中の文字をほぼ理解できないことになる。

 まずソウル空港でタクシーの運転手に、行き先をどう説明するかに困った。「クァンミョン」と言っても発音が違うらしい。「光明」というメモを見せてもわからない。「競輪」でもわからないし、さらに「cycle race」でも…。もうお手上げだった

 何がどうやって伝わったか、それでも1時間後にはどうにか、Speedomという愛称のドームバンクに到着。6年前に見たのと変わらない大きな建物が、目の前に現れた。

 入り口横に、チケット売り場があった。入場料は1000ウォン、日本円にして110円ぐらいか。

 韓国の3場は全て1周333メートル。光明競輪場は日本の前橋、小倉のドームバンクを参考に建設された。7車立てで、男子のようにライン戦ではなく、点と点の勝負。競走中にブロックしてはいけない。要するに、今年で11年になるガールズ競輪と同じ、脚力勝負、スピード勝負。参考になるのは、選手の強さのバロメーターの競走得点だ。

 入り口で予想専門紙を買って、つらつら眺める。レース番号、ランクが決まる競走得点、過去6レースの成績などはわかる。

 第1Rは13時29分。これが発売締切か発走時間かは不明だった。マークシートを確認すると、ハングルとともに〈RACE(レース)、BET TYPE(賭け式)、AMOUNT(金額)〉という英語表記があるので、車券を買うのには問題がなさそう。ただし、賭け式がハングルとともに「1/1」、「1/2」、「2/2」、「1→2」、「3/3」とあるのはあとで確認したところ、順に単勝、連勝、複勝、ダブル勝、3連複だった。連勝は日本でいう2車複で、ダブル勝は2車単か。今は3単複と3連単が加わり、7賭け式らしい。

 とりあえず数字はわかるので、オッズを見ながら1Rを買ってみる。格上はB1の③と⑦、次がB2の②と④と⑥、B3が②と⑤で、予想紙の本命は①だった。①に続く印は、順に③⑦⑥④という評価。ここは素直に①から、なんとなく。合計6000ウォンでいく。

 ゴール前のスタンドに陣取った。ファンは比較的穏やかで、シーンとして不思議なほど静かだ。激しくヤジが飛び交うのかと思っていたので、拍子抜けだった。

 レース結果はというと、競走得点上位のB1両者のワンツー③⑦で決まった。3連複の配当1230とある。12.3倍ということだろうか。

 小学生レベルの掛け金ながら、2度目の韓国競輪はドボンでスタートした。

(峯田淳/コラムニスト)

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