芸能レポーターの石川敏男氏も首をかしげる。
「4年半ぶりに歌ったんですよ。ファンは話が聞きたいわけですよ。あれでは、録画じゃないか? とか、体調がよくないんじゃないか? と疑われてもしかたがない。出た以上はもっと話をするべきです」
放送後、暗雲は垂れこめ始めていた。発表された紅白第2部の平均視聴率は42.2%。大台は超えたもののサッカーW杯のコートジボワール戦に及ばず、年間最高視聴率を実現することはできなかった。局内では明菜特需で、
「10%は上がる」
と踏んでいたが、数字を聞いた籾井会長は憮然として、「ごくろうさん‥‥」とつぶやくだけだったという。明菜にとって厳しかったのは、ここからだ。
「5日に歌手別の視聴率が出たのですが、明菜さんは42.9%という結果になりました。かつてのライバル・聖子さんは最高視聴率47.5%を取りました。これが今の2人の差ということでしょう」(NHK関係者)
そんな明菜にとって喫緊の課題はまもなく発売される新曲の売り上げだ。しかし、ニューヨークから離れる気配はない。
「追いかけるマスコミもいなくて肌に合うようです。外出などもするようになり、徐々に体調を取り戻しているようです。一小節ずつ歌ってつなぐ最新機器のスタジオもあります。でも、帰国して新曲のキャンペーンをする考えはないようですよ」(芸能記者)
8月発売のベストアルバムの売り上げはすでに25万枚を超え、12月には限定版が発売されたほどだった。それがレコード会社を動かし、「復帰指令」がトップダウンで下りてきたのだ。
「アメリカでの待遇も売り上げを見込んでのことです。キャンペーンをやらないので、紅白の数字をレコード会社は新曲売り上げの指標としていたのですが‥‥」(芸能記者)
今年の明菜には多くの企画が用意されている。5月には6年ぶりになるオリジナルアルバムの発売。7月には横浜でのコンサート。年末にはディナーショーを行い、今度こそ紅白に生出演するというが‥‥。
「明菜のファンは確実にいるのです。今までサイトなどを通じて『もう少し待って』と言い続けてきました。新曲発売でも表に出てこないとなれば、狼少年ならぬ狼少女になってしまう」(石川氏)
「禁区」にさしかかった明菜は「難破船」状態である。