さらなる高みを目指し、名門ドジャースへ移籍、悲願のWシリーズ制覇を狙う大谷翔平(29)。打撃専念でロケットスタートを決めた今季は、早くも「三冠王の可能性は14.6%」と先走り報道が出るほど。だが、日本では報じられない屈強メジャーの強敵がその前に立ちはだかっていた。
まずは大谷翔平の今季成績(現地時間6月12日現在、以下同)を振り返ろう。昨年キングを戴冠した本塁打は17本(ナ・リーグ2位)、打率が3割1分1厘(4位)、打点が44点(9位)となっている。MLBライターが解説する。
「打撃3部門の成績ですべて10傑入りしているのは、大谷と、本塁打、打点の2冠王のブレーブス・オズナ(33)だけ。とはいえ、毎年絶好調の〝ミスター・ジューン(6月男)〟も6月序盤は振るわず、ズルズルと成績を落とすのではないかと心配されました。ですが、11日、12日に2試合連続ホームランを放ったことで、今後の量産態勢に入ったとみられます」
日米ファンが一番期待するのは、当然、本塁打王争いだ。1位はオズナの18本で1本差。大谷が例年の如くどこかで「ゾーン」に入れば、あっという間に逆転できそうではあるが‥‥。MLBに精通するジャーナリスト・友成那智氏が語る。
「大谷に三冠王の可能性はあると見ています。例年、ナ・リーグがア・リーグよりも打率、本塁打数、打点も上回っているのですが、今季はその関係が逆転し、ナ・リーグの打撃成績がやや低い。つまり、現段階で大谷が突出しているわけではないが、各部門でタイトル争いのできる条件がそろっているわけです。ホームラン王争いも、しばらくダンゴ状態が続きそうで、怖いのは今後成績が尻上がりするであろう実績のあるバッターです」
実は1位オズナは「春の珍事」。過去に前半戦でこれほど打ちまくったことはなく、なおかつ年間の最多本塁打数は40本止まり。シーズン後半戦での失速が見込まれるという。
では警戒すべきは誰か。
「昨季46本を放ったメッツのアロンソ(29)は要注意。今季終了後にFAを取得する予定で、大型契約獲得のために奮起するでしょう。メッツは東地区で順位を落としており、割り切って個人成績を狙ってきてもおかしくない。ですが、対抗馬の大本命は、フィリーズのシュワーバー(31)でしょう」(友成氏)
東地区を独走するフィリーズにおいて〝恐怖の1番打者〟として君臨するシュワーバーは昨季、打率1割台ながら47本塁打を記録した大砲だ。友成氏が続ける。
「打率は低いですが、ホームランを打つ技術は一流で、かつケガも少ない。8月以降の量産が特徴で、一昨年も46本打っています。おそらく、この45〜46本ぐらいがタイトル争いのラインになるでしょう。大谷もこのままのペースを維持すればここに並べるはず」
終盤までにできるだけ差を広げておきたい。