本サイトが11月8日と25日に配信した記事では、エンゼルスからFAとなった大谷翔平の移籍先について、早ければ今年のクリスマスまでにはロサンゼルス・ドジャースが総額5億ドルを超える巨額契約を締結すること、加えてドジャースはポスティング制度でオリックス・バファローズからのメジャー移籍を狙う山本由伸投手の獲得にも本気で乗り出していること、などのウラ情報を速報で伝えた。
果たせるかな、12月9日(日本時間10日)、大谷は超破格となる「10年総額7億ドル(約1015億円)」でドジャースと契約締結に至ったことを、自身のインスタグラムで公表。大谷の入団会見の時点で、山本のドジャース入りはまだ発表されていなかったが、山本の一件も含めて、水面下ではどのような交渉が行われていたのか。
メジャーリーガーの契約事情に詳しいスポーツジャーナリストが、実際の舞台裏を明かす。
「実は10年で総額7億ドルといわれる契約額は、ドジャースが大谷と山本の両選手を獲得するために準備していた資金の総額でした。事実、ドジャースは大谷獲得のために5億2800万ドル(約792億円)を用意していたとされます。ところが大谷の獲得競争が他球団も含めてヒートアップする中、最終的な額は7億ドルにまで吊り上がってしまったのです。ドジャースにとって、この点は大きな誤算でした」
その結果、ドジャースは山本獲得のために約2億ドルから3億ドルの資金を新たに工面しなければならなくなったというのだ。スポーツジャーナリストが続ける。
「そこで大谷がドジャース側に進言したのが、契約総額7億ドルのうち97%は年次後払いにしてもいいという『翔撃の提案』だったのです。この条件であれば、ドジャースは山本をはじめ、大谷以外の選手補強のために準備していた資金を回すことができる。しかも大谷の提案には、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)優勝のチームメートだった山本のドジャース入りも、しっかりと条件として加えられていたといいます」
すなわち「山本とセットで自分を獲得してほしい」との要求である。それを示すかのように、12月12日に行われたドジャースと山本の直接交渉の席には、なんと大谷が同席していたことがわかっている。先のスポーツジャーナリスト曰く、
「全ては大谷が描く青写真通りに進んできた」
大谷の翔撃パフォーマンスは、まさにグラウンド外でも「超破格」だったのだ。
(石森巌)