芸能

街裏ぴんく「高田純次さんみたいにずっと適当なことを言っていたい」/テリー伊藤対談(4)

テリー 最近テレビにもたくさん出てるじゃないですか。最初にその出方みたいなものを奥さんに相談するって言ってましたけど。

街裏 そうですね。ほんとに3日に1回ぐらい、嫁さんと激論を交わしてます。

テリー 何が一番難しいんですか。

街裏 芸人の先輩にお聞きしても分かれるとこなんですけど、「ネタのままいくのか」「ネタとは切り替えるのか」っていうところが‥‥。もちろん場合によってなんでしょうけど、基本軸をどっちに置くのか‥‥。

テリー ああ、そういうことか。ネタではウソばっか言ってるのに、普通のトークになった時に急に真面目に話し出してもね。

街裏 そうなんですよ。本来はやっぱり高田純次さんみたいにずっと適当なことを言っていたいんですけど、急に「いや僕、昨日、美輪明宏さんと串カツ屋で飲みましたけどね」みたいなことを言ったら、とんでもなく怒られる可能性もあるわけじゃないですか。

テリー お笑い芸人しか出てないような番組だったらいいけどね。

街裏 歌手や俳優の方がいたりして、みんなが普通にしゃべっている中、どうウソで入っていくのかというのもありますし。そういうのも練習していかなきゃいけないと思ってるんですけど。

テリー でも、めげないでやっていれば、そのうち平気になるよね。

街裏 そうですかね。でも、そんな奴いたらテリーさんも怒りますよね?

テリー 怒りませんよ。

街裏 えっ、怒らないですか。テリーさん、すごく厳しいイメージがありますけど。

テリー 全然厳しくないですよ。芸能界は平等だから。ベテランだって、昨日出てきたアイドルだって好きなことやって全然構わないんですよ。わかんないけど、後悔しない方がいいよね。

街裏 実はこの前、爆笑問題の太田(光)さんとくりぃむしちゅーの上田(晋也)さんの番組に出させていただいて、その時に上田さんに「お前のほんとの情報なんて聞きたくねぇんだから、ずっとウソついてろよ」みたいなことを言ってもらったんです。だから、今テリーさんにも「後悔しないようにやった方がいい」って背中を押していただきましたし、そっちの方向で探ってみようと思います。

テリー そうだよね。それがいいと思う。何かさ、賞レースで優勝したりすると、みんな無難になっていくじゃない。

街裏 そんなイメージありますね。

テリー ねぇ。なかなかテレビでは芸をやらせてもらう時間がないから、しょうがないのかもしれないけど、もっと思い切ってやればいいのにとは思いますよね。

街裏 これ、芸人の仲間にもらったボケなんですけど、番組で紹介されてバーッと出て行った時に、「ちょっと待ってくださいよ。何で僕の楽屋が美輪明宏さんと相部屋なんですか」みたいな。それを一発目に言っちゃって、みんなにそれを求められるようになれば、こっちのもんかなと思って。それがちょっと今の目標です。

テリー テレビももちろんだけど、単独ライブとかにも力を入れていくんでしょう。

街裏 そうですね。5月に東京、大阪で単独ライブをやらせていただいて、これで全国を回れるようにしたいですね。

テリー 頑張ってよ。

街裏 ありがとうございます。あとテリーさん、TBSラジオの「昭和モーレツ天国」で昭和のことをしゃべってるじゃないですか。僕、TBSのポッドキャストで「虚史平成」という、平成のウソのことばっかりしゃべる番組をやってるんですよ。同じTBSの昭和と平成の番組ということで、実は前からテリーさんには勝手に親近感を持ってました。これからもよろしくお願いします。

テリーからひと言

 ケーシー高峰さんとかダンディ(坂野)とかさ、俺、昔から漫談の人って好きなんだよね。ぴんくさんのネタも最高だったな。テレビなんて適当でいいんだから。臆せずやってください。

ゲスト:街裏ぴんく(まちうら・ぴんく)1985年、大阪府生まれ。高校の時の友人と漫才コンビ「裏ブラウン」結成。コンビ解散後、2007年にピン芸人に転向し、「街裏ぴんく」として活動を開始。日常から脱線していく世界観を描いたファンタジックな「ウソ漫談」で人気を博す。3月に「第22回R-1グランプリ2024」で優勝。

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