芸能

街裏ぴんく「バイトも続かないお前は笑いしかない」/テリー伊藤対談(3)

テリー 今みたいな「ウソ漫談」は、何がきっかけで始めたんですか。

街裏 元々、漫才の時からファンタジー寄りのネタだったんです。例えば、「キティちゃんの着せ替え人形を持ってる?」「もちろん、持ってるよ」「あのキティちゃんの着せ替え人形を直してくれる和尚さんがいるって知ってる?」みたいな話から漫才コントに入ったりとかしてました。

テリー さっきのダウンタウンさんの話もそうだけど、最初からそういうのが好きなんだね。

街裏 そうですね。だから、漫談の時もボヤキやキレ芸をやりながら、今のウソ漫談みたいなものもやってました。

テリー その頃、事務所は?

街裏 経歴で言うと、ピンになった時に、いったん松竹芸能に入ったんですよ。吉本新喜劇に入りたくて、1年ぐらいで辞めるんですけど。で、吉本新喜劇のオーディションを受けて落ちまして、その後、島木譲二さんに弟子入りしようとして断られたりしてますね。

テリー へぇ、島木さんの何が好きだったんですか。

街裏 やっぱりストーリーと関係ないところで10分ぐらいの持ち時間を、パチパチパンチやカンカンヘッドで全部持って行くじゃないですか。もう頭おかしいなと思って。それでいて、みんなに愛されて、イジられてっていう、あの感じが全部好きでしたね。

テリー 結局、大阪ではどのぐらい活動したんですか。

街裏 2012年に上京してきましたんで、8年ぐらいですか。

テリー その時、結婚は?

街裏 東京に来て1年でしました。

テリー 収入はあったんですか。

街裏 いや、ゼロです。事務所にも所属してないですし。

テリー そうですよね。そういう状況だと、部屋を借りるのも大変じゃないですか。どうしたんですか?

街裏 最初は嫁さんの名前で借りて、そこに転がり込む感じで。だから、ほんとに結構長い間ヒモ状態というか。

テリー そうか。それは何年続くの?

街裏 いや、ヒモ状態と言ったら、ほんまに1年ぐらい前までそうだったと思います。嫁さんの稼ぎと同じぐらいお笑いで稼げるようになったのが1年前ぐらいなので。それまではバイトも続かなくて。嫁さんにはとんでもないお金遣わせてます。

テリー バイトって何をやってたの?

街裏 多かったのはコンビニの夜勤ですね。自由にバックヤードに行けるんで、そこで寝たりとかして。あとはタバコを出荷する工場の警備のバイトとか。それはほんまに楽で、見張りで立ってるだけなんですよ。たまにトラックが入ってきて、行き先を迷ってたら「こちらです」って言うだけ。

テリー それは何で続かなかったの?

街裏 いや、それまでは全然続かなかったですけど、「これはマジで楽やから、ほんま続くわ」って嫁にも言ってたんですけど。たまたま10分ぐらい寝てたんですよ、立ちながら。それを雇い主の警備会社に報告されて、クビというか、「もう無理ですね」って電話かかってきて。その電話の横に嫁さんもいたんですけど、「無理です」って言ったんです。

テリー え、何で? 謝って続けさせてもらえばいいじゃない。

街裏 それは嫁さんにも怒られました。「そこは『やれます』ちゃうの?」って。

テリー そりゃそうだよ。

街裏 で、ちょっと話は飛ぶんですけど、2022年になかなか結果も出ずっていう状態の中、もうお笑い辞めて普通に働こうと思ったんです。そしたら嫁さんに「バイトも続かんお前が一般の会社で続くわけないやろ。何としてもお笑いにしがみついて稼いできてくれ」って。

テリー いい奥さんだねぇ。

街裏 それで2023年もお笑いを続けてたら、段々仕事が増えてきて、その矢先にR-1の芸歴ルールが解除されたっていう流れです。

ゲスト:街裏ぴんく(まちうら・ぴんく)1985年、大阪府生まれ。高校の時の友人と漫才コンビ「裏ブラウン」結成。コンビ解散後、2007年にピン芸人に転向し、「街裏ぴんく」として活動を開始。日常から脱線していく世界観を描いたファンタジックな「ウソ漫談」で人気を博す。3月に「第22回R-1グランプリ2024」で優勝。

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