北海道日本ハムファイターズが2023年から本拠地をエスコンフィールドHOKKAIDOに移して、2年目に入っている。旧本拠地の札幌ドームは今、どうなっているのか。いや、大変な事態に見舞われていたのである。
札幌ドームを管理運営する札幌市の第三セクター「札幌ドーム」では当初、赤字額を2億9400万円と見込んでいた。ところがこのほど、6月19日午前に配信された「北海道新聞」が〈純損益が5億円超の赤字となる〉と報道。約10億円を投入した、ドーム内を暗幕で仕切る中規模コンサート用の「新モード」がわずか3日しか稼働せず、〈収支改善には至らなかった〉と解説した。
コトはこれでは終わらない。同日午後、今度は「北海道ニュースUHB」が〈3月期の決算で想定の倍以上となる6億5000万円を超える赤字となったことが分かった〉と報じたのである。北海道新聞の「5億円超」とは大きな開き。「わずか3時間で、赤字が1億円以上も増えた」と驚きの声が広がった。地元スポーツ報道関係者が嘆息する。
「関係者の話が含まれていたため、数字の違いが出てしまったようですが、実際に大きな赤字を出したのは確か。ネーミングライツの販売などで3億4000万円余りの広告収入を見込んでいましたが、現在までに応募はゼロ。収益力が高いコンサートの開催が想定の半分にとどまっているのも、経営悪化の原因になっています。財務体質を改善するため減損処理を行い、およそ2億円の損失を計上したといいますが、老朽化が進み維持費が膨らんでいることから、今後も黒字への転換はかなり困難でしょうね」
かつては「稲葉ジャンプ」で、ドーム周辺一帯が揺れるほどの盛況を極めた札幌ドーム。今や札幌市民の目はどこまでも冷ややかで、解体論まで浮上している。
テコ入れが不発に終わり、状況に変化がなければ、このまま「負の遺産」と化してしまう…。
(ケン高田)