日本ハムファイターズがエスコンフィールドへと去り、損益が過去最大、6.5億円の大赤字となった札幌市の第三セクター「札幌ドーム」だが、運営会社や札幌市への批判が相次ぐ中で、ポジティブな話も出始めている。
6月23日には、札幌ドームをホームにしているサッカーJ1「北海道コンサドーレ札幌」が、夏季限定ユニフォームを発表。ファンは「めちゃくちゃカッコイイ!」と大絶賛だ。チームは現在、J1最下位に低迷しているが、6月23日の横浜F・マリノス戦では「赤黒フェスタ」を開催。イベントが充実していたことで、札幌ドームには2万6677人が集結する大盛況となった。
札幌ドームのイベントカレンダーを見てみると、思った以上にスケジュールが埋まっている。7月は5日から7日の3日間「エホバの証人大会」、13日はコンサドーレ札幌戦、15日は北ガスグループリレーマラソン、21日はラグビー日本代表戦、27日と28日は「大ほっかいどう祭」といった具合だ。とはいえ、先行きは明るいわけではないと、地元スポーツライターが語る。
「札幌ドームは2024年度の年間イベント開催日数の目標を、123日としています。7月には宗教法人のイベントが3日間ありますが、地元民からは『いっそ、ネーミングライツも買ってもらえ』という声が上がりました。8月には地元HTB(北海道テレビ)のフェスが予定されていますが、まだまだ空きは多い」
ここはひとつ、コンサドーレ札幌の躍進を期待したいところだが、
「野球と比べて年間20試合程度しかないので、大きな起爆剤にはならないでしょうね。今のところ、小中規模のイベントで、なんとかこの先を乗り切るしかないのが現状です」(前出・地元スポーツライター)
見かねた地元ではなんと、「競輪場転換論」が浮上している。北海道や東北の競輪選手は、冬季は南関東へ移動して練習を行っている。ドームなら天候に左右されず、通年開催が可能となるため、確かに名案のように思えるが、公営ギャンブル場の新設はハードルが高い。簡単に話が進むかどうかは未知数だ。
小規模なイベントはそれなりに入ってはいるものの、さりとて赤字解消にはほど遠い札幌ドーム。野球というビッグコンテンツを失ったツケは、あまりにも大きすぎたといっていいだろう。
(ケン高田)