日本時間の6月21日のロッキーズ戦で、ナ・リーグ単独トップとなる21号を放った、ドジャースの大谷翔平。得意の6月に入り、前半こそはくすぶっていたが、12日のレンジャース戦で火がつくと、絶好調モードに。この日までの10試合で6本と量産体制に入っている。
この本塁打攻勢に、日本のニュース番組やワイドショーの多くは真っ先に、まずは大谷情報を報告するという状況が続いている。当然、日本が誇る大谷の豪快な一撃に、お茶の間も沸いているはず…と思いきや、少し様子が変わってきたようだ。
大谷に関するニュース本数は、ネット上だけを見ると、昨年や一昨年と変わらない。ところが、それらに対する一般コメントの数があきらかに激減しているのだ。あるスポーツ紙サイトの21日にリーグ単独トップに立ったニュースには、公開から3時間が経っても、たった3コメントしかなかった。他の記事でも、最近は昨年に比べて1ケタは減っていると言っていい。人々が大谷の本塁打に慣れてしまったとは言えるが、スポーツ紙記者は「他に大きな理由がある」と話す。
「今年の大谷は、怒とうのスタートでした。MLBの常勝軍団であるドジャースへの超高額移籍に始まり、元バスケ女子日本代表選手との結婚。そして、青天の霹靂といえる通訳の裏切り…。まさに天国と地獄が同時に進行していた感じです。実はここにきて、女性ファンの関心が如実に低くなっていると言われています。確かに、通訳問題で引いてしまった人たちはいます。でも、あの事件については大谷は被害者ですから、離れていったのはごく一部の人だけ。では、結婚してしまったから? それも違います。結婚発表直後は、真美子夫人の持ち物が話題になるほど、むしろ女性の関心を集めましたからね。その結婚フィーバーが落ち着いて、コメント欄からの女性、特に主婦層の声がほぼなくなった理由は、何といっても『二刀流』ではなくなったことが大きいと言われています」
昨年までの大谷は、弱小チームのエンゼルスで、投げて打って走って、孤軍奮闘していた。その姿が、子を持つ主婦世代や年配女性の心を打っていたというのだ。事実、コメント欄では「うちの子は赤いユニフォームの方がよかったらしい」「一人で打って投げて勝つ姿が凄かったのに…」という声が散見される。前出のスポーツ紙記者が話す。
「投手としての出番がなくなったことで、テレビに映る時間が圧倒的に減りましたよね。これでは、たまに本塁打を放っても見逃すにわかファンは多いですし、自然と無関心になっていきます。特に日本人は『文武両道』という言葉が大好きですが、それと同じで『二刀流』という言葉が、あまり野球を見る機会がなかった女性たちの母性に響いたのは確かです。幼稚園の保護者の集まりでさえ、『大谷クン、何でもできて凄いね』なんて会話が交わされていましたからね。現在の大谷は、言い方は失礼ですが、たまにバッターボックスに立つだけの『ただの打者』です。SNS上に『CMで見る時間の方が長い』とコメントしている女性がいましたが、あながち間違いではないすね。人気が落ちたというより、関心が低くなったという方が正しいでしょう。女性の感性はハッキリしています」
こうなったら、大谷がもう一度、女性陣のハートをグッとつかむには、両リーグでの本塁打王はもちろん、可愛い赤ちゃんを授かることかもしれない。
(飯野さつき)