アジアでは台湾とネパールに続いて、同性婚を認める法案が6月18日に可決…というのは常夏のタイでのことだ。
これが法制化されると、同性同士が結婚した場合に税金の控除、相続、養子縁組の権利などが男女の結婚と同等に認められることになり、国王の承認を経て年内にも施行される見通しだ。
タイには早期リタイア後に日本から移住する人が多い。独身者のほか、単身移住する既婚者もいる。
「意外かもしれませんが、タイで同性の恋人を見つける年配者は、意外に多いんですよ」
と明かすのは、現地ジャーナリストである。
「男性独身者の場合、最初はタイ人女性と出会い、結婚を考えていたものの、なんらかの形で騙されて女性不信になる。そしてその後、同性を好きになる、というケースが少なくありません。タイは世界的に見てもLGBTが多い国として知られており、中には女性に劣らず美しいレディーボーイ(ニューハーフ)も存在します。これまでは異性愛者として生きてきたけれど、タイに来てから同性に興味を持ち始めた、という人が出てくるのは納得です」
これまでタイでは、同性婚が認められていなかった。タイの法律では外国人が土地を購入することができない。そのため、たとえ一緒に暮らしていても、一軒家を購入する場合は、タイ人パートナーの名義となる。先のジャーナリストが言う。
「外国人によくあるケースとして、タイ人パートナーの実家を新築したにもかかわらず、別れた際に全て持っていかれる、というのがあります。しかし、今回可決された法案により、結婚することで相続の権利が平等になる。入籍すれば、別れたとしても夫婦の財産は分与の対象となるため、一文無しになることは避けられるでしょう」
同性婚法案の可決は、タイに住む日本人に大きな影響をもたらすことになる。