プロ野球でめったにお目にかかることのない「ライトゴロ」。これを1シーズンに3度やってのけた強肩の外野手が、巨人に在籍しているのをご存知か。
野球解説者・江川卓氏のYouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉で、それが誰なのかクイズとして出題されたのだが、「現役選手」と聞かされる前に、江川氏は「亀井善行(現・巨人1軍打撃コーチ)」と回答。不正解であったことから「答えは出ませんね」とギブアップした。正解は「長野久義」である。江川氏はこう弁明した。
「あまり投げそうもないもんね。ライトにボールがきたら『どうぞ』って感じに…いや、話したことないけど、穏やかそうじゃんね。亀井さんの方がやりそうだもんね、肩に自信あるから」
長野が年間3度のライトゴロに仕留めたのは2013年。5月15日のロッテ戦、9月12日のDeNA戦、10月2日のヤクルト戦で、いずれも東京ドームでの試合だった。巨人では1943年の中島治康氏以来の珍事だ。
長野は2011年から続くベストナイン、ゴールデングラブ賞を、この年も受賞した。しかしながら、3度のビッグプレーの裏には、2012年シーズンオフにシカゴ・ホワイトソックスから巨人に移籍した外国人ホセ・ロペスの守備力が大きく関わっていたとされる。スポーツライターが振り返る。
「5月のロッテ戦は、2回二死満塁の場面でした。通常なら右翼手はライトへの打球は本塁に送球するところですが、一塁手ロペスの瞬時の動きを見て、長野が一塁に送球。ロペスは自身の横を抜ける打球が速かったことから『いける』と判断し、迷わず一塁についたと語っています。一塁手としてゴールデングラブ賞を獲りましたが、長野とのダブル受賞は感慨ひとしおだったでしょう」
ロペスは2013年、2016年から2019年の計5回、一塁手としてゴールデングラブ賞を受賞しており、外国人選手としては最多を記録している。
(所ひで/ユーチューブライター)