退社したアナウンサーに、コンスタントに仕事を依頼している印象が強い――。日本テレビには以前からそう感じている。
例えば夕方の報道番組「news every.」のメインキャスターを14年間担った藤井貴彦が3月末に退社しているが、フリーアナウンサーに転身して早々の4月から、夜の看板番組「news zero」のメインキャスターとなっている。
しかしながら、藤井と全く同じ日に退社している2003年入社の上重聡の場合は全く違うようだ。
6月27日の「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)には、フリーアナウンサーが集結して、収入事情をぶっちゃけ告白。元TBSの国山ハセンや、元テレビ東京の森香澄は、退社して収入が倍以上に増えたと明かしたが、そんな話を羨ましそうに聞いていたがのが上重だった。退社してまだ3カ月だが、
「5月はほぼゴールデンウイークでしたね。(ゴールデンウイークが)こんなに長いんだと思ったのは、人生で初めてでした」
いかに仕事が入っていないかをボヤくのだ。
基本はある程度、フリーに転身しても仕事がもらえる目途がついて退社するものだが、どうやら上重の場合は特にそういったことはなく、ノープランで退社してしまったそうだ。分かりやすく迷走している、というのが現状なのである。
全く今後のビジョンが見えていない上重は、
「辞めても藤井さんは『news zero』、私は仕事zero」
と自虐ネタに走る始末だった。放送関係者は苦笑いだ。
「実際のところは、仕事がzeroなわけではなく、退社前にスポーツキャスターとして出演していた朝の情報番組『シューイチ』で、現在もロケ業務を任されている。ただ、収録は1カ月半に1回とのことですから、藤井との落差はえげつないですよね」
上重はオリコンが集計した「好きな男性アナウンサーランキング」2014年版で2位にランクインするも、翌年には不祥事が発覚。大手スポンサーの関係者から約1億7000万円を無利子で借り受け、さらには高級外車を供与されていた、というものだ。以降はこのランキングに顔を出すことはなくなった。
「そんな好感度の低さなのに、見切り発車でフリーに転身することが無謀であることは、誰の目にも明確なことでした。何か戦略があるのかと思いきや、頭の中はお花畑だったわけですから、現状の仕事のなさは必然としか言いようがありません」(前出・放送関係者)
今回、成功しているフリーアナウンサーたちと共演して刺激を受けたことで、上重の中で何か変化は生じるか。
(権田力也)