「中森明菜さん、番組に遊びに来てください。遊びに、ね」
芸能界の大御所、高橋秀樹がそう呼びかけたのは、6月27日の特番「昭和の名曲!夏メロTOP30 70年代&80年代の青春プレイバック」(テレビ朝日系)の1シーンだ。1980年代ヒットソングランキング上位には、中森明菜と松田聖子の名曲が並んだ。ゲスト出演した森口博子は、下積みのスクールメイツ時代に、明菜本人がスクールメイツの楽屋を訪れて、ケーキを差し入れた秘話を明かした。
前日の6月26日にはテレビ東京でも「テレ東ミュージックフェス2024 夏~昭和の常識は…令和の非常識!ヤバい昭和の超名曲vs令和ヒット曲100連発~」を放送。昭和の名曲特集は、地上波テレビの定番コンテンツになりつつある。
今春話題になった阿部サダヲ主演ドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS系)で、タイムトリップを繰り返す阿部の長女役・河合優実は「山口百恵の再来」と言われる一方で、演じた「純子」のメイクは明菜そっくり。TBSドラマゆえ、連呼されるのは同局で放送された「3年B組金八先生」に生徒役で出ていた三原じゅん子参院議員や近藤真彦の名前という「大人の事情」があったものの、昨年12月に開設した明菜の公式YouTubeチャンネルのフォロワー数が「ふてほど」放送開始とともに80万人超にまで急拡大したのは、河合にその面影を見出す明菜ファンが掘り起こされたからだろう。
この5月にはYouTubeでデビュー曲「スローモーション」をセルフカバー。一時は「声が出ない」と体調不良を心配されていた明菜だが、そんな不安を払拭する歌声を披露している。それなのにテレビ出演できないのはなぜなのか。番組制作会社幹部に聞いてみると、
「YouTubeの動画を見るとわかる通り、明菜は撮影時期によって顔がふっくらしていたり、頬がこけていたりと、まだ体調に波があることが窺えますね。7月12日から14日にかけて、59回目の誕生日(7月13日)を記念して、全5公演のファンイベントを予定しています。チケットは業界最高値の7万8430円ですが、抽選に応募が殺到しました」
YouTube収録から3時間のファンイベントへと、歌姫復活の階段を一歩ずつ昇っていると、この幹部は言うのだ。
「明菜がテレビ視聴者に忖度する必要はありません。ファンクラブは今でも会員数が推定1万人と言われています。ファンクラブ収入だけで、年間7700万円。さらにYouTubeの収益もあり、露出度が減ったからといって、生活には困っていない。6年ぶりのファンイベント開催に、一部メディアは『会費が高い』とさっそく『明菜バッシング』を繰り広げています。悪意あるメディアが待ち構えているのがわかっているのに、テレビ復帰を急ぐ必要もないでしょう。明菜はファンイベント、ディナーショーを待つファンのことだけを考えていればいい」
5公演のファンイベントが成功すれば、今年の紅白歌合戦出場が見えてきそうだ。
(那須優子)