梅雨だというのに天気図から梅雨前線が消え、危険な暑さが関東近郊に襲いかかっている。7月5日からベルーナドームで行われた西武×ロッテ3連戦ではあまりの暑さに、観客から「今年の夏を乗りこえられるのか」と不安の声が相次いだ。
事実、7月5日に先発したロッテ・小島和哉は4-0で迎えた7回に連打を浴びるとマウンド上で動きを止め、トレーナーが慌てて駆けつけるシーンが見られた。その後、一旦は投げ始めたが、源田壮亮を空振り三振に取ったところで降板。試合後、「途中から投げるたびに息ができなかった」とコメントしており、どうやら軽い熱中症に罹ってしまったようだ。
西武の本拠地ベルーナドームは既存の球場に屋根をつけた特殊な作りをしており、夏は暑く冬は寒いのが特徴。西武の選手は多少は慣れているとはいえ、他チームの選手にとって身体的に大きな負担になっているのは間違いなかろう。
そんな中、にわかに再燃しているのが「札幌移転説」。日本ハムのエスコンフィールド北海道への移転で、「空き家」になっている札幌ドームに注目するファンが出ているためだ。なぜ「再燃」なのか。スポーツライターが語る。
「もともと西武には札幌を準本拠地とする構想があり、1998年4月に北海道財界などが中心となった『西武ライオンズ札幌誘致委員会』が発足しました。系列のプリンスホテルやスキー場、ゴルフ場などを北海道に持つ親会社の思惑や、西武ドームの観客動員の頭打ちなどの理由から持ち上がったもの。2002年に日本ハムの北海道移転が表面化し、自然消滅してしまいました。今季の西武は首位のソフトバンクに現時点で30ゲーム近くも離されており、ファン離れが加速しています。あまりの体たらくに、ファンからは『いっそ札幌に移転して、ゼロからチームを再構築した方がいい』という声が上がったというわけです」
西武が北海道に移転する可能性は今のところ高いとは言えないが、息ができないほどの暑さに見舞われたロッテ・小島の姿が、移転を望む声を猛烈プッシュしてくれるかもしれない。
(ケン高田)