芸能

小林幸子「誰かがずっと手を差し伸べてくれた」/テリー伊藤対談(3)

テリー それが25歳の時で。それからずっと一線でいるじゃないですか。これ、すごいよね。歌がうまいのは当然だけど、人柄もいいし。何なんですか、芸能界の一線に長年いる秘訣は。

小林 いやぁ、何なんでしょう。でもね、テリーさんが昔テレビ東京でやってた「浅草橋ヤング洋品店」っていう番組で、ルー大柴さんと司会をやらせてもらったじゃないですか。今となっては、これ言うと、みんなに驚かれるんですけど(笑)。その時に私、テリーさんに、「私でいいんですか?」って聞いたんです。そうしたらテリーさんが「幸子さんがいいんです、面白いから」っておっしゃってくださって。「面白い」って、話が面白いとかじゃなくて、存在が面白いからっていう、プロデュースの目で私を選んでくださったっていうのは、すごいうれしかったですね。

テリー さっちゃん、覚えてないかもしれないけど、実は羽田飛行場から同じ飛行機に乗ったんです。

小林 えっ、私と?

テリー そうそう。そうしたらさっちゃん、今日みたいな感じで、ずーっとペラペラしゃべってたんですよ。

小林 あら、やだ(笑)。

テリー 普通、飛行機の中ってみんな静かにしてるじゃないですか。だけど、さっちゃんだけ、1人で下町のおばさんみたいにペラペラしゃべってて、僕はそれがすごく好きで。それで2、3日後の新番組の会議の時に、その話をして、「絶対にさっちゃんにやってもらいたい」って言ったんですよ。何か不幸が近寄らなそうな感じがするじゃないですか。新番組を立ち上げる時にそういう人がいると、絶対に番組のシンボルになると思ったんです。

小林 そうなんですか。初めて聞きました。

テリー だってね、その前に2、3回しか会ってないのに、さっちゃんって「テリーさん!」って、ペラペラ話しかけてくるでしょう?

小林 ほんとに? ほんとにそれ私ですか(笑)。

テリー 普通さ、テレビ局の廊下とかで会った時に話すって、「おはようございます」「お疲れさまでした」って、大体そんなもんじゃない。それが、ずっとしゃべってるから、「この人、馴れ馴れしいな」と思って、僕はそれがすごくうれしくてね。そういうのもあって司会をお願いしたんです。

小林 ありがとうございます。

テリー だから、周りの人はみんな「さっちゃんと一緒に仕事をしたい」って思うんじゃないかな。

小林 よかった、いい形でつないでいただいて。私、今になって思うんですけど、デビュー曲は売れたけど、2曲目からパタッと売れなくなって。でも、その間も誰かが手を差し伸べてくれて、今につながってるんですよ。例えばバラエティー番組だと、テリーさんもご存じの井原さんが手がけた、坂本九さんの「九ちゃん!」っていう番組にレギュラーで出させていただいたり。

テリー 日本テレビの井原高忠さんですね。僕はあの人の世話でこの業界に入ってきたんで、今も足を向けて寝られないです。

小林 すごく優しいけど、厳しい人でしたよね。絶対に叩きませんけど、練習の時、いつも竹刀を持って「コラーッ!」って言って。そうやって踊りとかコントとか、色々教えてもらったのが功を奏して、後にドリフターズといろんな番組をやる時に、役に立ったんですね。それで、そうこうしているうちに映画やドラマに出させていただくようになって。歌は全然売れなかったんですけど。

テリー いや、でもそれはやっぱりさっちゃんの人柄だし、元々持ってるスター性ですよね。

小林 そうなんですかねぇ。幸せなおばさんですね(笑)

ゲスト:小林幸子(こばやし・さちこ)1953年、新潟県生まれ。1964年、10歳の時に「ウソツキ鴎」でデビュー。1979年、「おもいで酒」が200万枚を超える大ヒット。2013年にはニコニコ動画で歌ってみた動画を投稿するなど活動の幅を広げ、ネットユーザーなど若者からも多くの支持を集める。近年はYouTuberとしても活動し、YouTubeチャンネル「小林幸子はYouTuBBA!!」開設中。7月24日、新曲「オシャンティ・マイティガール」発売予定。8月1日(木)・2日(金)には「小林幸子60周年記念公演 in 新橋演舞場 ~ラスボスのキセキ~」が開催される。

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