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テリー伊藤対談、小林幸子「台風の中にいるみたいでした!」

 今年、個人事務所の元社長との“お家騒動”に揺れた小林幸子が心境を激白!4月からの半年間は「ずっと台風の中にいたみたい」と振り返り、眠れない日々が続いたという。しかし、現在は新曲「茨の木」も好調。来年、デビュー50周年を迎える小林に、天才テリーは「さっちゃんの歌は日本の宝」とエールを送る。

テリー さっちゃんは芸能生活何年目?

小林 かれこれ49年です。

テリー その中でも今年は特別に大変だったと思うんだけど、1年を振り返ってみてどうですか。

小林 報道が出たのが4月5日なんですが、普通に家を出たら、外は台風だったみたいな。レコード会社を辞めて、新しく自主レーベルを立ち上げるまでの半年間はずっと台風でしたね。

テリー うわぁ、そうか。

小林 ずっと台風だったので、季節が変わっていく‥‥つまり春、初夏、夏、秋、そして初冬に入ろうとするまでの間、季節がわからなかったんですよ。

テリー 気持ちの余裕がなかったから。

小林 真夏なのに、暑いとか寒いとか、天気がいいとか雨だとか、自分の中の変わり目が何にもなかったですね。

テリー それはよっぽどだね。

小林 なぜ台風の中に私がいるのかということを、ものすごく考えさせてもらいました。台風と戦うことではないな、戦うものはいったい何なんだろうと。マスコミにもいろんなことを言われましたけど、それと戦うのも変なんで。

テリー そもそもあの騒動は、いったい何だったんですか。

小林 世間でもよくあることで、ちっちゃな事務所で「辞めさせてください」「はい、わかりました」っていう、何でもない出来事ですよね。1枚の事務的な紙で終わるはずだったんですよ。それが「解雇された」と。「えっ!?」って、ビックリしました。そんなことしてないんだけど。そしてその後、短編小説のような記事がどんどん長編になっていき、マスコミの人が書くたびに「つづく」みたいな状態が続いて、これ、どうなっていくんだろうと。

テリー ワイドショーも連日報じてたもんね。

小林 自分のことが報道されてるんですけど、登場人物がどんどん代わって、ストーリーも変わって、もう私ではなく別人が主人公の長編小説を読んでるみたいでした。

テリー その時、どうして沈黙を守ってたんですか。

小林 いろんな方に話を聞いたんですよ、芸能界の先輩方へも。そしたら「しゃべらないのが、いちばんいい、そのうち通り過ぎていくから」って。それで2カ月話さなかったら、どんどんどんどん違うほうに話が固まっていって、そこから話すと今度は言い訳みたいに聞こえちゃうんです。それで何にもしゃべれなくなったのが現実ですね。

テリー 黙ってるっていうのもつらいね。

小林 ですけど、私は歌手だから、このままずっと心に届く歌を歌い続けていったら、何が本当かはおのずとわかると思ってました。

テリー とはいっても、4月から5月、6月って異常な報道のされ方だったよね。俺、あれだけ言われたら眠れなくなっちゃうな。

小林 だから、私も人生で初めて安定剤を飲まないと眠れなくなりました。私、強くないですよ、ホントに。今はもう必要なくなりましたけど。

テリー いや、大変だったと思うよ。だって、いちばんホッとするのが家なのに、その前に人がいるんだもん。

小林 もう何日間いたのかしら‥‥。だから、ご近所に「ご迷惑をかけて申し訳ありません」って回ったんですけど、皆さん同じことを言ってくださったんですね、「大変ですね。気にしないでください」って。

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