〝昭和の歌姫〟中森明菜が6年半ぶりにファンの前に姿を現した。
7月12日から14日までの3日間、明菜はファンクラブ会員限定のディナーショーを敢行。チケット価格は7万円超という強気なものだったが、3日間5公演は完売だったという。
会場がどこか、前日までチケットを買った客にさえ明かされなかったという厳戒態勢のショーは、果たしてどんなものだったのか――。
会場となったのは、地方からのファンが集いやすい東京駅近くのレストランだった。ファンはまずフルコースのディナーを堪能し、その後に明菜本人が「みんな、お酒楽しんでますか?」と登場すると、「スローモーション」「ジプシー・クイーン」「TATTOO」といった往年のヒット曲のジャズバージョンを披露し、次にアルバム曲のメドレーを挟むと、最後には「BLONDE」「北ウイング」「fin」をジャズバージョンで歌った。
7月13日に59歳の誕生日を迎えた明菜のために、ファンからは自然と「ハッピーバースデー」の大合唱が起こるなど、場内の雰囲気はさすが熱烈ファンが集まっただけに、和気あいあい。また、バースデーの花束が渡されると「ありがとう。でも誕生日で年を取りたくないから受け取らない」と答え、ファンを笑わせたのだ。
今回のディナーショーの成功で、明菜を取り巻く状況が変わるはずだと週刊誌記者が語る。
「『週刊新潮』に掲載された、ライブ後にスタッフと駐車場を歩く明菜の表情は笑顔があふれ、サングラス越しに充実感が見て取れました。MC、歌ともライブではノリノリで、往年のヒット曲のジャズバージョンは好評でした。ファンの歓声は久しぶりだったでしょうし、この流れで音楽番組への出演はもちろん、オファーがあれば毎年取り沙汰されている『紅白歌合戦』への出演に前向きになるのではないでしょうか」
とはいえ、紅白はテレビで見る歌番組に過ぎない。ファンが期待するのはやはり、コンサートツアーだろう。現在、海外では明菜より年上の70年代スターが「グレイテスト・ヒッツ」ツアーで荒稼ぎをしている。
また日本では、アイドル時代のライバルだった松田聖子に韓国でプチブームが到来して、62歳での「初の東京ドーム公演」がウワサされている。年を取りたくないとファンを笑わせた明菜だが、還暦を迎える来年に向けて完全復活できない理由はなかろう。
2025年、聖子と明菜の還暦スーパーアイドル2人が再び歌謡界を引っ張るようなら、日本中の昭和世代に元気を与えてくれそうだが…。
(石見剣)