日本ハムファイターズの2軍本拠地が千葉県鎌ケ谷市から北海道に移転する構想が、野球ファンの関心を引いている。
1997年3月に開場した現在の鎌ケ谷スタジアムは老朽化が進んでおり、また1・2軍が離れている現状を改めるのが狙いだ。移転候補地には札幌、千歳、恵庭、苫小牧、江別の5市が挙がっており、地元では早くも歓迎ムードが広がっている。
球団は球場建設を地元自治体が、運営を球団が行う公設民営型を想定。今後は数十億円から100億円とみられる建設費を負担できる自治体が有力候補となりそうだ。
もっとも、移転構想にはウェルカムの声ばかりではない。遠征費が増えることへの懸念が示されているのだ。とりわけ資金繰りが苦しいオイシックス新潟は、球団運営に大きな影響を及ぼす可能性が指摘されている。
「オイシックスはNPBの2軍リーグ参入に伴って試合数が増加したことで、交通費や食費なども含めた遠征費は昨季と比べ、約5倍から6倍に膨らんだ。スポンサー料の値上げなどで対応していますが、北海道への遠征が、さらなる負担増になるのは間違いない。2022年、2023年には1口3000円からの遠征費を募りましたが、またファンにお願いすることになるかもしれませんね」(2軍関係者)
今年3月1日と2日に行われた、エスコンフィールド初開催となるイースタン・リーグ春季教育リーグでは、日本ハム側がオイシックス新潟を「招待」。遠征にかかる費用を捻出した。この時はオイシックスの北の大地での門出に日本ハムが太っ腹な器を見せたが、さすがにシーズン中はそうもいかないだろう。
オイシックスの本拠地・新潟から小樽まではフェリーが運航しているが、遠征費を少しでも安くあげるためには、バス移動も含め、あらゆる手段がとられるのではないか。
新庄剛志監督は「よその球団はめちゃくちゃ、お金がかかるじゃない」と、2軍本拠地移転への不安を口にするが、その通り、資金難のチームにとってはまさに死活問題に直結しかねないのだ。
(ケン高田)