7月15日、松戸競輪場で行われているGⅡサマーナイトフェスティバルとガールズケイリンフェスティバルの最終日に、後輩の溜め息大将と出陣した。
車券を買う合間に入り口横で、わんにゃんフェステバルをやっている元ガールズケイリンの女王・高木真備さんに会いに行く。高木さんは2021年、ガールズのチャンピオンを決める「ガールズケイリン」で優勝。翌2022年に電撃引退して競輪のイベントで全国をかけずり回りながら、保護猫・保護犬活動を競輪場などで続けている。その様子をペットの読み物が多いサイトで取り上げたのだが、反響が大きく、ヤフーのトピックスにも上がったほどだ。
この日は脱走する猫がいるリスクを考慮してか、犬がメイン。高木さんに犬や猫の相談する人は多く、手短に挨拶だけ済ませてスタンドに戻った。高木さんはその後、場内のステージでトークショーを行っている。
6Rは2車の頭からのフォーメーションで勝負する。スピード抜群の①北津留翼か、徹底先行の②町田大我につける⑨鳥取雄吾から。⑨1着で狙いはよかったが、2着3着は人気薄のラインの2車が入り、ドボンである。
7Rは逃げて潰れると思ったラインのワンツーで、またまたドボン。
8Rには、その週末に夕刊紙の企画で対談をお願いしている⑤松井宏佑選手が登場する。松井マークの①岩本俊介と、週刊誌の連載コラムで推奨した⑨佐藤慎太郎の3車ボックス。こういうのを心情車券という。当たってくれと祈るが、結果は3連単①⑦⑧で2万4370円の好配当になった。まあ仕方がない。
9Rは7Rと同じパターンで決着。10Rは⑦深谷知広が絶対と考え、⑦から12点を。だが、このレースは6Rと同じパターンで、2着3着が人気薄の決着。あぁ、ドボンの連鎖が止まらない。
後輩の溜め息大将と、場内をさまよう。キッチンカーはどこも列ができ、売り切れの貼り紙が目につく。19時を回っているから、さすがに空腹だ。
「食い物にもありつけない、まさに難民状態だね」
「焼鳥を食べたいけど時間がかかるから、並んでもダメですね」
仕方なくホームスタンド2階に戻り、車券売り場横にある牛串の店にレース終了後、早めに並ぶことに。牛バラ串900円。黒毛和牛のA5ランクだそうだ。大将と1本ずつ、荒々しくムシャぶりついた。脂が甘くて薄味、上品だ。
11Rは「夜の女王」を決めるガールズ決勝である。期待された地元勢が敗退して福岡3人、愛知3人、高知1人のメンバー構成。初日と2日目をチェックし、面白そうなのは愛知の④坂口楓華と⑤當銘直美。ここからいってみるか。それから②山原さくらも。映画「男はつらいよ」の前田吟さんに、寅さん映画を語ってもらう連載を続けているが、倍賞千恵子さんが演じるのがさくら。つい②(山原)さくらも買ってしまった。これも心情車券。外れても恨みっこなしだ。
締め切り間際にオッズを見ると、福岡勢の中で最好調な⑥尾方真生の人気がない。
「尾方が売れなさすぎだと思う。100円ずつ買っておこうかな」
そう言うと、大将もマークシートを塗り潰し始めた。
結果は尾方が見事に逃げ切って、ビッグレース初優勝を飾った。だが、2着に入った福岡の⑦小林優香がない。3連単⑥⑦⑤、3万3280円、ドボン。
そしていよいよ12R、「夜王」を決める決勝がやってきた。この日の車券的中は5Rのみで、ここまでくるとスクランブル体制だ。変則のボックス車券、68点張り。いちばんの狙いは⑧新田祐大の一発、③真杉匠と④吉田拓矢の連係から④の追い込みだが、結果は3連単③④⑧、1万6100円である。アチャー、またまたドボンだ。
結局、収支5万円のマイナスに。競輪場から「栄一」様を持ち帰るどころか、持ってきた「栄一」様がほぼ吸い込まれてしまった。
溜め息大将と一緒に溜め息をつきながら、北松戸駅に向かう。なぜか森進一の「女のためいき」が耳の奥で聴こえる。
最初に予定していた通り、北松戸から2駅の金町駅で下車する。寅さんゆかりの柴又駅の隣駅で反省会である。
次週は震災で8年間お休みしてお預けだった熊本競輪、その翌日は福岡まで足を伸ばして小倉競馬に出かけよう。97ギャンブル場制覇のカウントダウン。95場目の小倉で打てば、残るは2場だ。
(峯田淳/コラムニスト)