日本ハムファイターズが本拠地を移転し、赤字経営が続く札幌ドームのネーミングライツ契約がついに締結した。
札幌ドームと大和ハウス工業は、札幌ドームの愛称を8月1日から「大和ハウス プレミストドーム」とするネーミングライツ契約を結んだと発表した。契約金額は「非公開」とされているが、札幌ドームが希望する年間2億5000万円とみられている。
札幌ドームのネーミングライツには、愛称に「ドーム」を含めること、公の施設にふさわしいもの、などの諸条件があるが、2億5000万円という金額に「高すぎる」と冷ややかな声が上がっていた。「負のレガシー」にまさか手を差し伸べる企業が現れるとは、驚いた人が多かったのではないだろうか。
もっとも、大和ハウスと札幌市は以前からかなり親密な関係で、一部関係者からは「本命視」されていたという。地元財界関係者が言う。
「大和ハウスは札幌で商業テナントを数多く持っていて、ロードサイト型店舗をほぼ網羅しています。また新さっぽろ駅周辺の大規模総合開発プロジェクトを主幹するなど、札幌市とは関係が深い。水面下で交渉を進める中で、金銭的な折り合いがついたのでしょう。大和ハウスの現副社長が、札幌ドームを建設した大成建設出身というのも気になるところ。4年間の契約となっていますが、終了後の札幌ドーム跡地の再開発を狙っている、とのウワサも聞かれます」
プロ野球本拠地のネーミングライツ料については、ロッテのZOZOマリンスタジアムは年間3億1000万円、広島のマツダスタジアムは年間2億2000万円とされている。札幌ドームにマツダスタジアム以上の価値があるとは、にわかには思えないが、表だっては見えない、なんらかの「うまみ」が企業側にはあるのかもしれない。
(ケン高田)