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プロ野球2024「ワーストナイン」前半戦総括〈内野手部門〉打率1割台「山田哲人」は危機感が薄れている

 続いて内野手部門だ。

 セの一塁手は、候補者が多数いる中、阪神の大山悠輔(29)と中日の中田翔(35)が激しいワースト争いを繰り広げている。

「打率2割2分3厘(6本塁打)の大山は『二軍に落としてください』と首脳陣に直訴したそうだけど、チームの顔である4番バッターがそんなことを言っちゃダメ。不振な時でも必死な姿を見せることでチームに活力が生まれる。4番はプライドがないとね。ミスタータイガースなんだから。

 その大山よりも打てていないのが中田。ここまで2割1分8厘で3本塁打というのはね。巨人に恩義があるにもかかわらず、今年、中日に移籍した。影響力を持っている選手なので、もっと意地を見せてほしい」(角氏)

 2人の争いは期待を込めて中田に軍配が上がった。

 パの一塁手はプロ5年目の昨年、打率3割0分7厘(16本塁打)で首位打者に輝いたオリックスの頓宮裕真(27)が独走している。

「開幕戦では4番に座ったものの、6月以降は打順も下げられて欠場もたびたび。打率1割8分9厘(4本塁打)では仕方がないけどね。オリックスは昨年パの3連覇を成し遂げましたが、今年は5位。低迷の要因は山本由伸(25)のメジャー移籍だけではないでしょう」(伊原氏)

 セの二遊間は年々成績を下げており、遂に打率1割台(9分8厘・6本塁打)まで落ち込んだヤクルトの山田哲人(32)と、次世代の名手でゴールデン・グラブ賞を目標に掲げている入団2年目の巨人・門脇誠(23)だ。

「ヤクルトが最下位に低迷している要因の一つが山田の不振。どこか危機感も薄れているようにも思えます。ショートの門脇は打率2割2分0厘(0本塁打)もそうですけど、エラー(9回)が多く、記録されない凡ミスもある。昨年活躍して今年はレギュラーだと思っていたのに、自分の持ち味を忘れている。もっと頑張ってほしい」(角氏)

 一方のパは、ワーストナインの常連でもある二塁手で西武の外崎修汰(31)と、同じ西武の遊撃手・源田壮亮(31)が競り合っている。

「外崎の打率は2割2分3厘(1本塁打)、源田はこのところ打撃が上向いてきて打率2割5分8厘(1本塁打)。外崎は併殺打が10回(昨年は11回)とチャンスをものにできていないですし、源田は得点圏打率が2割と低すぎます」(伊原氏)

 セの三塁手は、共に球界最高年俸6億円の巨人・坂本勇人(35)と、ヤクルト・村上宗隆(24)が激突。期待を裏切る成績に悩ましいところだ。

「坂本より村上の方じゃないかな。ヤクルトが浮上するには彼が打たないとダメだから。能力からしたら40本塁打、100打点、3割は最低ライン。ヤクルトに村上の代わりはいないけど、巨人は坂本の代わりにヘルナンデス(29)が打率3割2分4厘(6本塁打)と活躍しているからね」(角氏)

 ただ、伊原氏は「坂本は2割8分くらい打てるバッターなのに今年の不振はひどすぎる。村上と共に『ダブルワースト』でいいんじゃない」と、2人の選出を提案。ここはリーグ2位の15本塁打を放っている村上より、4本塁打の坂本の方が給料泥棒とみて、坂本をワースト候補に選出する。

 パの三塁手は、楽天の浅村栄斗(33)だ。

「打率は2割5分を切り、長年、コンスタントに3割前後を記録している得点圏打率も2割3分3厘まで落ちている。本塁打7本で35打点もさみしいですし、年俸5億円に恥じないよう、後半戦は巻き返してもらいたい」(伊原氏)

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