続々と出場校が決まっている第106回全国高校野球の地方大会。
7月23日には宮城県大会の決勝戦が行われ、聖和学園が大本命の仙台育英を8-5で下し、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。
「22年の夏は全国で優勝、昨年は準優勝という仙台育英が敗れるとは、高校野球ファンのほとんどが想像していなかったのです。聖和学園は高校サッカーの強豪で全国の常連ですが、野球でもやりましたね。今大会の聖和は接戦だらけでしたが、準決勝の仙台商戦から打線が一気に上向いた様子で、決勝戦で19安打を放った打線は見事でした」(スポーツライター)
打ち勝っての番狂わせだが、俄然注目を浴びたのは3回に勝ち越しタイムリーを打つ活躍を見せた、聖和学園の3年生エースだ。なぜなら、名前が「斎藤佑樹」だから。
斎藤投手は2007年3月7日生まれの現在17歳だが、彼が生まれた前年の夏は「ハンカチ王子」の異名を取った、早稲田実業の同姓同名「斎藤佑樹」が一大ブームを巻き起こした。当然、聖和の「佑ちゃん」は、そのブームにちなんで名づけられた、まさに「2代目」なのだ。前出のスポーツライターが振り返る。
「甲子園の大スターは日本を動かします。早稲田実業といえば、80年代に荒木大輔投手がアイドル級の人気を誇りましたが、彼の『大輔』が新生児の名前に付けられることが多かった。その1人が、松坂大輔として横浜高校の稀代のエースとなりました。松坂投手が活躍した年も〝大輔ブーム〟が来ましたよね。ですが、今度は苗字まで同じの『斎藤佑樹』が再び甲子園のマウンドに立つわけですから、スタンドは盛り上がることでしょう」
さすが自分への注目度がわかっているのか、聖和の斎藤投手は優勝インタビューでしっかりハンカチで汗を拭くパフォーマンスを見せている。
「横浜DeNAの度会隆輝に似たルックスは好感度が高そう。さすがに本家と違って、マウンド上ではハンカチを出していませんが、ぜひ甲子園で1勝を挙げて、勝利後のインタビューで全国に2代目ハンカチパフォーマンスを見せてほしいですね」(前出・スポーツライター)
すでに「熱闘甲子園」(テレビ朝日系)の密着取材は間違ないと言われているだけに、〝東北の佑ちゃん〟が18年越しのハンカチブームを起こす可能性は高い。
(田村元希)