昨年の紅白歌合戦では、過去最多6組が出場を果たしたジャニーズ事務所。創業50年以上経つ今もなお業界で力を誇るが、その原点は「ジャニーズ」という名の4人グループだった。
「ジャニー喜多川社長がアメリカから帰国後、近所の少年たちを集めて野球チームを結成。その後、チーム内の少年4人で『ジャニーズ』というグループを作ったのが、事務所を設立するきっかけです。『ジャニーズ』は1962年に結成し、65年には紅白歌合戦に出場。『涙くんさようなら』などの代表曲があります。メンバーは真家ひろみ、飯野おさみ、あおい輝彦、中谷良。67年に解散した後は、飯野はミュージカル俳優、あおいは歌手や俳優、声優として活躍。中谷は89年に『ジャニーズの逆襲』という暴露本を出し、話題になりました」(芸能関係者)
中でもリーダーの真家は、俳優業やワイドショーの司会を経て、82年からタクシー運転手に転職した。当時の真家に会ったベテラン芸能記者が語る。
「故・レオナルド熊さんの妻である元松竹女優の中川加奈さんにインタビューした際、『昔、真家くんにプロポーズされたの』という話を聞いたのですが、その翌週、タクシーに乗ると偶然にも運転手が真家さんだったんです。それでその時の話をすると、『加奈ちゃん懐かしいなぁ』と嬉しそうに笑ってましたね。時間が経ってもお互いに良い思い出だったんだと思います。それから色々話してくれて、『このタクシーの中が僕の第二のステージなんです』と言っていました。2000年に心筋梗塞により53歳で亡くなってしまいますが、元スターが第二の人生を明るく生きる姿に感銘を受けましたね」
色男で女性の指名客も多く、話が面白いので個人タクシーは繁盛していたという真家。ジャニーズ事務所の礎を築いた「元祖ジャニーズ」のリーダーは、大人物だったようだ。