長野県の長野駅と湯田中駅を結ぶ長野電鉄が、特急列車の一部を運休すると発表した。期間は9月11日から12月10日まで。1日20本ある特急のうち、なんと半数の10本を運休。また「北信濃ワインバレー列車」などのイベント列車も、一部運休となる。
地方ローカル鉄道は人員不足による一部列車の運休が続いており、福井鉄道、とさでん交通、伊予鉄道が列車の運休や減便を行った。千葉の小湊鐵道は6月に観光急行を減便し、7月には普通列車の一部運休に踏み切った。
長野電鉄の運休によって、地方ローカル鉄道の人員不足問題が、より深刻であることが明らかになったと、鉄道ライターは指摘する。
「運休の原因が人員不足であることはわかっていますが、小湊鐵道はあくまで『人員不足』とだけ発表しており、運転士が足りないのか、それとも駅員なのか、あるいは車掌なのかが明らかになっていない。しかし、長野電鉄は『鉄道運転士の退職に伴う慢性的な人員不足』と、運転士不足をアナウンスしました。運転士を養成するには時間もお金もかかりますから、簡単に解決することはできません。人員不足はまだまだ続くことになるでしょう」
長野電鉄は12月10日までと、運休は長期にわたる。小湊鐵道は9月30日までと短いが、状況により期間を延長する可能性があると告知している。これで済めばいいが、より長くなる可能性も考えられるのだ。
地方ローカル鉄道ならではの特徴も運転士の確保を難しくしていると、先の鉄道ライターは言う。
「地方のローカル路線はワンマンで運行していることが多く、ドアの扱いや運賃の支払いにも対応しなければいけません。これが面倒なので地方ローカル線は避けたい、という運転士の声を聞きました」
行政と協力するなどして、状況好転とはならないものか。
(海野久泰)