社会

「イスラム国殺害予告事件」は“邦人誘拐ビジネス”の始まり?(1)IS国の狙いとは?

20141126logo

 1月20日、ついにイスラム国が日本人2人に殺害予告を出した。日本政府は必死の交渉を行っているが、相手は烏合の衆のテロ集団などではない。豊富な武器と弾薬を所有し、その資金源は石油の密輸と掠奪、そして誘拐である。イスラム国兵士はすでに次の邦人を標的として捉えている!

「日本政府と日本国国民に告げる」

 こう始まるビデオ声明が、突如動画サイトに掲載されたのは1月20日午後2時45分頃のことだった。

 映像には座らされた2人の日本人。その背後にはナイフを持った黒ずくめの覆面姿の男が。程なく1人が昨年8月18日にイスラム国(以下IS国)に拘束された湯川遥菜さん(42)、もう1人が昨年10月25日にシリアからIS国の支配地域に向かったジャーナリストの後藤健二さん(47)であることがわかる。

 そして覆面姿の男はこう宣言したのである。

「日本国民へ。お前たちの政府はIS国と戦うために2億ドルを拠出するという愚かな決断をした。お前たちの市民の命を救うために2億ドルを支払うという賢い決断を日本政府にさせるため、圧力をかける時間はあと72時間」

 しかも、支払わない場合、

「このナイフが悪夢になるだろう」

 と殺害を予告したのだ。

 事件は安倍晋三総理(60)の16日からの中東訪問と関係している。17日にエジプトを訪れた総理は、IS国と戦う周辺各国に、総額で2億ドルの支援を約束したのである。

 この2億ドルはあくまで人道支援が目的だが、IS国は日本が牙を剥いたと一方的に解釈した。身代金「2億ドル」も「敵に払う金と同額を払え」というメッセージであることは明らかだ。指定された「72時間」にも意味があった。中東に詳しい軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が解説する。

「3日間という漠然とした時間ですが、向こうは時間の単位をあまり気にしません。アラブ圏の感覚では『すぐ決めろ』ということです」

 実は昨年11月、後藤さんの家にはIS国から身代金の要求メールが届いていた。13年9月、その前身の組織に拘束された経験のある報道カメラマンの横田徹氏が続ける。

「(要求が来てから)交渉はしていたはずですが、それは交渉の余地のある状態です。動画が出てしまうとその余地はなく、払うか払わないかしかない」

 昨年8月以降、IS国がアメリカ人を3人、イギリス人、フランス人各1人を公開処刑しているのは周知のとおり。まさに待ったなし、の状況になってしまったのだ。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
なんだこりゃ!岡田将生の電撃結婚を「完全スルー」した「めざましテレビ」の担当は元カノ鈴木唯アナ
2
東京ドームで観客半分の「プレミア12」にサッカーファンが「シラケる」挑発バトル
3
大谷翔平「MVP受賞映像」で「真美子夫人の妊娠説」が噴出したワケ
4
「反大谷翔平」の上原浩治に「直球質問」をぶつけたら返ってきた「絵文字」が…
5
大谷翔平「3度目のメジャーMVP」でもかなわない「凱旋帰国」の高すぎるハードルと「出禁」問題