アサ芸読者の皆さん、こんにちは! LiLiCoです。
突然ですが、皆さんはタクシーに乗る機会って、年間にどのぐらいありますか? 私はマネージャー業も自分でこなしているので1日に6回ほどタクシーに乗るんですよ。そこで、この場をお借りして言わせてもらいたい! タクシー乗務員のマナー教育担当者の方々へ。マニュアル通りの乗務員さんたちを輩出させないでくださ〜いっ!
もちろん、乗務員として働くのであれば講師の指導に沿って真面目に行うっていうのは理解できます。でも、お客さんを乗せて運転する立場であるわけですから、四角四面に物事を捉えるっていうのはどうかなと。例えば、シートベルト。タクシーの後部座席に着用が義務づけられたのは今から16年前。その前から私、ちゃんと着用していましたからね。乗車したら即座にガチャッ。なのに、まるでロボットみたいに「シートベルトお願いします」って連呼する人がいるんですよ。いやいや、もうしてるし(笑)!
あと、「お好みの道順はありますか?」って聞いておいて、結局、ナビ通りに行く人。「できるだけ近道で」とお願いしたら「わかりました!」って、自信ありげに返ってくるんですけど、何のことはない、単なるナビ通りでしたっていうね(笑)。
もうマニュアル頭で応用が効かない運転手さんが多すぎですよ。もっと自分の頭で考えて、お客さんの立場になって運転してほしいですよね。
これは笑い話なんですけど私、「タクシー運転手さん運の悪い星」のもとで生まれているんじゃないかっていうぐらい、そういう乗務員さんを引き寄せちゃうんです(笑)。
ある日、イヤ〜な気分にさせられるタクシーに立て続けに乗ったことがあって「ああ、今日はハズレだったなぁ」と心の中で溜息をついていたら、「お客さん、今日で3回目ですよ♪」って運転手さんの満面の笑み。「だから最悪だったのかー!」と‥‥もちろん、口には出しませんでしたけどね(笑)。
それから、「お客さん乗せるの、2回目です」って、バックミラーからものすご〜く意味深な感じで声をかけてくる人がいて、「男と乗ってましたぜ」って、したり顔で言うんです。プロデューサーさんとかスタッフさんとか男性と一緒に乗る機会も多いから「仕事関係だったでしょ?」と聞くと「はい」って。じゃあ、さっきのあの意味深な、君の彼氏見たよ〜的な、LiLiCo、発表してないこと、何かあるんじゃないの? 的なドヤ顔は何だったの!? って(笑)。まるで文春砲気取りな運転手さんでした。
でも、言っておきますけど私、もしも付き合っている男と乗ってたとしたら、ひと言たりともしゃべりませんからっ! いるんですよ、「こないだ、◯◯さんを乗せたんですよ」とかベラベラしゃべる運転手さん。そこは芸能界警察の私、LiLiCoがしっかり「それ、プライバシーの侵害ですよ」って厳重注意いたします(苦笑)。
だって、私自身も言われたことがありますもん、「ここ、LiLiCoさんが住んでいるんですよ」って。「はい、私ですけど何か?」ってね(笑)。
昔はね、もはやマナー違反の度を超した方もいらっしゃいました。
「俺、副業で俳優やってるんだよ」って言うから、「そうなんですね〜、ルックスいいですもんね」とお世辞を言ったら、「こないだも、お客さんと公衆便所でヤッたんですよ」って、不適切すぎる爆弾発言。「何ならお前も?」みたいなエロい目全開モードなわけですよ。女性の酔客を狙った手口だったのかもしれませんけど、もはや人として醜すぎですね。
私、タクシー内では絶対に眠らないんです。だって、他人が運転している車ですよ。100%安心なんてありえないじゃないですか。だから「お休みのところすみません‥‥」って言われた時には、「あなたの運転では休めませんっ! エアコンが目に当たって乾くから閉じてただけです!」って、心の底の奥の方で怒声を上げています(苦笑)。
ご高齢の運転手さんに片側4車線で反対車線4車線の道路で逆走された時には正面から迫ってくる大型トラックを前に一巻の終わりかと思いましたね。
実際、事故に遭ったこともあるんですよ。けどね、その時の運賃が3000円だったんですけど「500円でいいです」って言われて。「ああ、私の人生は2500円なんだ」って思っちゃった。「そっちかよ!?」って、ツッコミが入りそうな話なんですけど(笑)。
まあ、そんな風にタクシーを降りた後、いつも怒って現場に行くから、めちゃくちゃテンションが高いんですよ。それがかえってバラエティーのトークに生かせると事務所は喜んでいますけど(笑)。
感動的なエピソードだってあるんですよ。映画好きな運転手さんも多くて「LiLiCoさんの紹介していた映画、観ました」って言ってくださる方もいます。
ライブ前に発声練習をしたり歌わせてもらったり。運転中、ご迷惑だろうなと思ったら「素敵な歌を聴かせていただきました。いい1日になりました、ありがとうございます」と仰ってくださった方には感謝しかないですね。
そうそう、忘れもしない8年前の1月5日。とっても素敵なヒゲの乗務員さんがいました。ちょうど年末年始にスウェーデンに帰っていたので、おせち料理をその日に用意してもらい、羽田からお店に行ってピックアップするということになっていたんです。普通なら、ドアを開けるじゃないですか。でも、その人はおせちを見るなりスーッと窓を開けて受け取ってくれたんですよ。なんて無駄のない素敵な人なんだろうって感動しました。
正直、今、毎月25万円なんですよ、タクシー料金。だから、あの素敵な運転手さんみたいな方がいたら、お願いしたいんだけどなぁ〜(苦笑)。
LiLiCo(りりこ)70年生まれ、スウェーデン出身。18歳で単身来日。96年より「王様のブランチ」(TBS系)の映画コメンテーターとして出演。最近では女優として「さよならマエストロ」(TBS系)、「季節のない街」(ディズニープラス)、「九十歳。何がめでたい」(松竹)など女優としても活躍。