先の同校OBが、ため息を漏らして口を開いた。
「21年に『叱って伸ばす』(竹書房)という著書も出している若林監督ですが、そもそも以前は、親身になって強い言葉で生徒を叱ることはあっても、決して手が出るようなことはなかった。それが、気性の激しいA子との交際を境に変わっていったと言われています。たびたび彼女と痴話ゲンカをしては、その翌日に生徒に八つ当たり。腹いせのような指導が行われたと噂されるようになった。その延長線上に暴力事件もあったと。復帰の署名運動が行われた頃は、まだA子があまり表に出ていなかったために注目されませんでした。ところが徐々に監督の威光を背景に、増長するようになったため保護者が問題視せざるをえなくなったのです」
2人の不倫関係の事実は、野球部のみならず、学校内はもとより多くの保護者が共通して知ることとなる。そしてついに見て見ぬふりができなくなったのは、A子の野球部への介入が露わになってきたと見られたからだという。
同校関係者によれば、
「A子が野球部員を呼び出すようになった。部員はしぶしぶ彼女のもとを訪ねるわけですが、そこに監督も同席していることがよくあったというんです。その場でA子から『男女交際はどうなってる? 誰と誰が付き合ってる?』とか『禁止しているSNSを使っているんでしょう』と尋問を受ける。監督が容認している以上、呼び出しを無下に突っぱねることなどできません。その行状が生徒から保護者に伝わることもありましたが、『口出ししては息子の立場を悪くする』と静観するほかなかったそうです」
若林監督が復帰した今夏の西東京大会では、東海大菅生を応援するスタンドでA子が悪目立ちしていたとの証言もある。
「熱中症対策の補助要員として役職を得ているからか、横暴な雰囲気でした。『おい!』とコーチの名前を呼び捨てにしたかと思えば『吹奏楽部の生徒をなんでここに座らせてるんだよ!』などと叱責。まるで野球部内の上位者のようで、応援に来ていた多くの生徒や保護者もうんざりしていた」(目撃した観客)
やっかみ半分かもしれないが、彼女の決定的な越権行為は、野球部のメンバー選定にまで口を挟んでいたことだとされる。
「『彼女に従順で覚えめでたい部員が優先される』と噂されるようになった。確かに実力が十分な子が外れているように感じたこともあります。監督はA子が絶対に正しいと信じ切ってしまっている様子で、生徒もA子の機嫌を損ねてはいけないと負担を強いられる。もはや負のスパイラルは、健全な部活動とますます乖離していっているようで‥‥」(保護者の1人)