「ヒット11本で1点しか取れなかったのは、自分の責任でもある」
中日の立浪和義監督は9月5日の阪神戦に1-2で敗れると、重い口を開いた。
この日は甲子園球場での阪神との最終戦。なにしろ中日は今季、甲子園では1勝もできず、10敗1分の惨状を晒したのだから。これは中日にとって1995年の横浜スタジアム以来29年ぶり4度目であり、甲子園での10連敗は1993年に13連敗して以来、実に85年ぶりとなる屈辱にまみれた。
立浪監督は「ファンの方に申し訳ない」と謝罪したが、あまりにも不甲斐ない戦いぶりに、ファンの怒りは一向に収まる気配を見せていない。
いや、不名誉な記録はこれだけではなかったのだ。実はこの日の敗戦で、立浪監督は中日歴代監督の「借金ランキング」トップに躍り出たのだ。
その成績を振り返ると、2021年は66勝75敗で借金9、2022年は56勝82敗の借金26、そして今年はここまで(9月5日終了時点)50勝65敗の借金15。トータル「50」の借金は、1978年から1980年の中利夫監督の「47」を上回るワーストである。このランキングは以降、森繁和監督「43」、谷繁元信監督「37」、杉下茂監督の「31」と続き、この5人がワースト5となる。
中日ファンの中には、2021年に55勝71敗で借金16に膨らんだ与田政権の悲惨なイメージが強い人がいるだろうが、実は与田剛監督は、前年に貯金5を稼いでおり、トータルの借金数は16と、立浪監督の負けっぷりには遠く及ばないのだ。
もはやこうなると、立浪監督の唯一のよりどころは観客動員数の増加だが、人事と集客を結びつけるのは派閥争いで互いに足を引っ張り合う中日の風習といってよく、ファンにしてみればどうでもいい話だろう。
来季、立浪監督が続投するかどうかはわからないが、「もうビシエドを監督にしろ!」と破れかぶれなファンの声まで出る始末。ワースト記録づくめゆえ、仕方のないことか…。
(ケン高田)