女優としては、最初からズバ抜けた存在感を誇っていたわけではない。ところが結婚、出産を経ると、およそ2児の母とは思えない、フェロモン艶技で瞬く間に輝きを増し続けてきた。そんな井川遥は、まだまだ過激に色香を放とうとしているようだ。
「どんなにスケジュールが詰まっていても、毎朝6時前には起きて子供のお弁当を作る。健康管理にも気を配って、撮影現場でも手作りのおにぎりを持参するなど、素顔は優等生ママそのものです。でも、最近は貧血に悩まされているようで、時折“ハァ~ッ”と深いため息を漏らすこともある。そんな日常に疲れた人妻らしいしぐさを目の肥やしにしている現場スタッフが少なくないんです」(放送中のドラマ関係者)
今、最も旬な女優の一人と言われる井川遥(38)。癒やし系アイドルとして活躍した20代を経て、06年に14歳年上のファッションデザイナーと結婚した。現在は人妻の色香を武器に再ブレイク中だ。
冒頭で触れたように、私生活では2児の母として、子育てに奔走する。5歳になる長女を都内の名門幼稚園に通わせる姿は、自宅付近では見慣れた光景だという。
「一緒にバスに乗って娘さんを幼稚園に送るところをよく見かけます。同じ幼稚園に通わせる父母の反感を買わないよう、落ち着いた色のパンツスーツなど地味な服装を心がけているようです。ただバッグだけは100万円以上するような高級ブランドですが、一点豪華主義がマッチして嫌みがありません。マイカーでの送迎が禁止されているため、送り迎えはいつもバス。後ろから娘をじっと見守りながら歩く姿は、ごくフツーの働くママですね」(近隣住民)
ママとしてしっかり勤めを果たしているからか、女優としても絶好調だ。今年1月からも「流星ワゴン」(TBS系)とNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の2本のドラマに掛け持ち出演する売れっ子ぶりなのである。
とはいえ、振り返れば女優としての軌跡はとてもスムーズとは言えなかった。
「グラビアから女優に転向した02年当初は、まだ女優としての実力はゼロに等しく、共演した大物俳優たちから総スカンを食らったとの報道もあった。以降、端役に甘んじることも多く、女優としては不遇の20代を過ごしていましたね」(民放局関係者)
ドラマ評論家の上杉純也氏が解説する。
「井川の持ち味は、どこか浮世離れした美しさ。わかりやすく言うと“愛人キャラ”なんです。40代以上のオトナの男性が“浮気できるんじゃないか”と妄想をたくましくするような妖しい美人です。そのせいか、品行方正な女性の役を演じても、色気がありすぎてなじまない。その色気は、私生活での結婚、出産を経て、色あせるどころか“人妻色香”として、よりいっそう芳香を増していきましたね」
つまり、当初はその有り余る色気が女優として足かせになっていたというのだ。
それでも年を追うごとに自身の魅力を理解し、磨き上げ、いつしか人気女優の座に上り詰めた。
転機となった作品として上杉氏があげるのは、13年の「ガラスの家」(NHK)。再婚した夫とのすれ違いから、義理の息子との家庭内不倫に走る人妻を演じた、井川の連続ドラマ初主演作である。
「過激な濡れ場にも挑戦して女優として一皮剥けました。やはり、その色気のせいで周囲の人に翻弄される役どころが似合う。旦那に虐げられる時の受け身の演技が、同じように夫に不満を抱く主婦層からも共感を集めたのは大きい。何しろ女性視聴者の好感度が高くなければ、その後、あれだけの本数のCMには起用されないでしょう」