我が愛する「ファッションセンターしまむら」を特集するというので、久しぶりに「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)を見てみたら、内容よりも「あること」が気になって、中身がまるで頭に入ってこなかった。
「放送900回記念 第2弾 最強巨大チェーン〝売れる″秘策!」と題した9月12日の放送は「しまむら」の鈴木誠社長をゲストに迎え、2024年2月期、売上高・営業利益ともに過去最高を更新した絶好調の秘密に迫るものだったのだが…。
気になる「あること」とは、番組のメインキャストでインタビュアー、村上龍の「喋り」だった。「限りなく透明に近いブルー」で芥川賞をとった作家で、1987年10月から1991年3月まで「Ryu’s Bar 気ままにいい夜」(毎日放送)という番組のホストを務め、豊富な知識と柔軟な喋りで人気が高かった。バーに模したセットでお酒を飲みながらのお洒落なトークは、まさに大人のためのトーク番組という感じで、村上の名が文学ファンのみならず、広く世間に知られるようになった番組でもあった。
そして2006年4月に「日経スペシャル カンブリア宮殿~村上龍の経済トークライブ~」と題してスタートしたこの番組は小池栄子を従え、日本経済を支える経営者や著名人に村上がインタビューするのが番組の肝だった。
それがどうだろう。村上の喋りがフガフガしていて、まるで入れ歯が外れた人のよう。テロップがなければ何を言っているのかまるでわからない、という有様だ。あのダンディーな姿は何処へ…と悲しくなった。まだ72歳。老け込むには早すぎると思うのだが…。
この9月でようやく終了すると思ったら、なんとBS朝日に移行して継続するという「朝まで生テレビ!」の田原総一朗や、「ビートたけしのTVタックル」のビートたけしも、フガフガ喋りで何を言っているのかわかりにくいが、村上もこの2人と同レベルか、それ以上だ。
先日、和田アキ子の看板番組「アッコにおまかせ!」が来春終了かというニュースが出ていたが、どうせならアッコには「フガフガ3兄弟」も一緒に連れて、テレビから消えてもらいたいものだ。
(堀江南)