ダウンタウンら人気芸人によるバラエティー番組「リンカーン」(TBS系)の後継番組として昨年10月からスタートした…といえば、「ジョンソン」だ。それが9月30日に、ひっそりと終了した。視聴率が低空飛行を続け、わずか1年での幕切れとなった。
実はここに出ていた4組8人の中で、最も実力を出せなかったコンビがある。それがモグライダーだ。彼らは出演する芸人の中で唯一の「非・吉本枠」での抜擢。同じ事務所に所属していると、どうしても馴れ合いになってしまう傾向がある。
「そこでモグライダーが選ばれ、うまくツッコミを入れる役割を期待されていたのです。『リンカーン』の出演芸人でいうと、キャイ~ンがその任を請け負っていました。ところがモグライダーの場合、なかなか溶け込めなかった印象がありますね」(放送作家)
モグライダーは「M-1グランプリ2021」(テレビ朝日系)に、初めて決勝進出。コンビ結成12年目の快挙だった。トップバッターで出場するという重圧をものともせず、美川憲一の代表曲「さそり座の女」を題材にした歌ネタで、客席を沸かせた。漫才のスタイルは、フリーハンドのともしげを芝大輔が追い込んでいく、というものだ。
台本があるのか、それともぶっつけ本番なのかが分からないモグライダーワールドで、2021年当時の「M-1」歴代最高得点となる637点を記録。最終的には8位に終わるも、テレビ業界はこぞってオファーをかけた。翌2022年にはテレビ番組の出演数が7本から198本に激増し、ブレイクタレントとなったのだが…。
「ボケのともしげは相変わらずですが、芝のツッコミのキレがどうも振るわず、トークのテンポが以前より悪くなっていましたね。同じようなコンビとして錦鯉がいますが、いまだにツッコミの渡辺隆が、『おバカ』長谷川まさのりの手綱をうまく操っています。モグライダーの場合、司令塔であるはずの芝の不調が目立っているので…」(前出・放送作家)
ここからの巻き返しが必要なのである。
(友利友三)