「もしリマッチがあるとしたら、断然、武居が有利だと思ってるの。伸びしろは武居の方があるじゃん。そう思わない?」
ボクシング元WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志氏が、WBO世界バンタム級王者・武居由樹のトレーナーを務める八重樫東氏に自論を交えて尋ねたのは、自身のYouTubeチャンネル〈内山高志のKOチャンネル〉でのことだ。
王者の武居が、挑戦者・比嘉大吾に3-0の判定で勝利し、初防衛に成功したWBO世界バンタム級タイトルマッチは9月3日に行われた。3人のジャッジの結果は114-113×2、115-112×1と僅差であったがゆえに、「比嘉が勝っていた」と主張するボクシングファンは多い。現に内山氏も、
「あの試合、俺は大吾が勝ってたかなと思ってたんだよね」
と口にする。
武居はプロボクシング転向後、10戦無敗の28歳。比嘉は29歳と年齢はひとつしか違わないが、戦績は25戦21勝3敗1分のベテランだ。そうした背景から出たのが、冒頭の内山氏の分析だったのである。
だが、八重樫氏の返答は「否」だった。
「僕、逆だと思います。もしリマッチになった場合は、たぶん大吾がやることがもっと明確になって…。本当は、最初はもっと武居のパワーでおっかなびっくり(武居の懐に)入ってこれないと思ったんですよ。でも、もうパワーを知ってしまったので、ずかずか踏み込んでくると思うんですよ。できればリマッチはしたくないんです」
さらに八重樫氏と内山氏のやりとりは続く。
「本当はもっとジャブでポイント取りたかったんですよ」
「でもジャブは逆に打たれてたじゃない」
「そうなんですよ。そこがちょっと僕の誤算で…」
そう言われれば言われるほどむしろ、武居VS比嘉のリマッチが見たくなる、そんなトークの応酬だった。
(所ひで/ユーチューブライター)