テレビアニメ「ドラえもん」で、ドラえもんの声を1979年から2005年まで務めた声優の大山のぶ代さんが、9月29日に老衰で亡くなっていたニュースにショックを受けた人は多かっただろう。ここで改めて振り返ってみると、意外なエピソードがあることがわかるのだ。
大山さんはNHKドラマ「この瞳」(1956年)で女優デビュー。「面白い子」「新劇出身の喜劇役者」との評判から声優、女優のみならず、バラエティー番組からもオファーが届くことに。
料理番組「夕食ばんざい」では1982年から1984年まで、初代メイン司会を担当。コメディ番組「やすきよ笑って日曜日」(1983年~86年)には、居酒屋のおかみさん役として出演した。他にも「お笑いスター誕生!!」や「欽ちゃんの全日本仮装大賞」で審査員を務めるなど、異彩を放った。
そんな大山さんと聞いて思い出すのが、特技の「アルカノイド」だ。ビデオゲーム「ブロックくずし」から10年後に発売され、第二次ブロックくずしブームを作ったのが、このアーケードゲームだった。大山さんいわく、自己記録「およそ120万点」は、公式2位に匹敵する記録である。
かつて大山さんは雑学バラエティー番組「トリビアの泉~素晴らしきムダ知識~」でその腕前を披露。熱が入るあまり、ゲームで苦戦が続くと「なんだ、この!」「このやろう!」「手間、取らせやがって」。地声がドラえもんに近いことから、「およそドラえもんから聞くことのないセリフが飛び出している」と評された。
ゲーム終了後には、困難にぶつかり選択に迫られた時について、
「アルカノイドだぞと思って考えます。アルカノイドは人生を教えてくれます」
アーケードゲームに人生を教わるとは、22世紀の未来からやってきたドラえもんの思考にピッタリだった!?
(所ひで/ユーチューブライター)