在京テレビキー局の衰退が叫ばれて久しいが、間違いなく地方テレビ局の女性アナウンサーにも影響は及んでいる。
東京に電車1本で出られる土地に住み、地方局に勤務するアラサー女子アナが語る。
「先輩の話を聞いていると、以前は弁護士や医者と合コンし、結婚相手は選び放題だったそうです。腐っても女子アナという看板は、東京じゃなくても絶大でした。ところがここ5年ほど、明らかにその威光が弱まったと感じることが増えました。地上波テレビ自体を見ていない人が圧倒的に増えたからです。だから合コンで番組名を言っても『ふーん、そうなんだ…』で会話が終わってしまう。地元を離れてせっかくやりたい仕事に就いたのに、切ない気持ちになってしまいます」
10年ほど前まで遡ると、合コンはもちろん、スポンサー関係の会食に呼ばれると、「足代」としてサッと1万円札を渡されたというが、
「今ですか…そんなのありませんよ。せいぜいタクシーで、自宅最寄り駅まで送ってもらうくらいでしょうかね。そもそも飲む人が減ったので、一次会のスタートが繰り上がって18時なんてザラ。二次会も最終電車までには終わって…なんだか味気ないですね」
令和の不況は、女子アナの懐さえも蝕んでいるのだった。(つづく)