もはや「副業ありき」で働くしかないようだ。地方テレビ局の女子アナが語る、悲惨な実情である。寒冷地に位置するラジオ・テレビ兼営局で働く現役女子アナがブチまける。
「ここ7~8年ほどで、アナウンサーを志す人の感覚が完全に変わったと思います。以前はキー局なら30歳前後でフリーに転身したり、あるいは高給取りと結婚して第二の人生を歩んだりと、わりと分かりやすい進路でした。地方局アナならフリー転身、東京でもうひと花咲かせようと必死だった。だけど最近は、全然違う。『会社に居座りたい』と、安定志向が強くなったんです。景気が悪くてフリーアナを使う番組が減っている実情が、背景にあると思います」
だからといって、手をこまねているわけではないようで、
「会社が副業に寛容な放送局は、定着率がよかったりしますね。昔のアナウンサーの副業の定番は結婚式や二次会の司会で、1回に5~6万円もらえることがザラにありました。プラスでお車代をもらえることもあり、羽振りはよかったですよ。最近はイベント会社の社長や地元スポンサーの幹部と仲良くなって、催事のMCを『受注』することが多い。その企業の公式動画に出演することもあります。そうやって小金を稼いで、以前より減った給料の穴埋めをしているんです」
高額な給料で経費使い放題の時代が懐かしいのである。(つづく)