2026年北中米ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選で日本代表が圧倒的な強さを見せるその裏で、ディフェンスの要として期待される冨安健洋が、所属クラブで窮地に陥っている。
プレミアリーグ(イングランド)のアーセナルで4シーズン目を迎える中、今夏のアメリカツアーに出発する直前に、ヒザを負傷してしまったのだ。
開幕戦に間に合わず、長期離脱でリハビリに励む日々を送っていたのだが、10月5日に行われた第7節のサウサンプトン戦で、後半39分に今季初出場を飾った。
「コンディション調整を優先するため、10月のインターナショナルマッチウィークは、日本代表への参加を見送っていました。10月19日から再開するリーグ戦出場を目指していたところ、英メディア『TEAM TALK』がヒザのケガの再発で、約1カ月は離脱する可能性を報じたのです」(サッカーライター)
冨安はアーセナルの主力として活躍できる実力がある一方、これまでたび重なるケガに泣かされてきた。サッカーライターが続ける。
「海外ではこれまでシント・トロイデン(ベルギー)、ボローニャ(イタリア)、アーセナルと渡り歩いていますが、1シーズンをフルで出場したことがほとんどありません。ひらめ筋損傷、ハムストリング損傷、ヒザの手術など、あまりにもケガが多く、『ガラスの脚』と揶揄されるほど。本人は細心の注意を払っているし、日本代表のチームメイトが感心するほどケアを心掛けているのですが…。それでも繰り返される負傷離脱に頭を悩ませています」
今季の出場時間は6分間のみと、さすがに戦力として計算できない状況に、冬の移籍期間にアーセナルが放出する話が急浮上している。
「センターバックだけではなく、左右のサイドバックとしてもプレーできる万能ぶりが高く評価されていますが、夏に『ユーロ2024』でブレイクしたイタリア代表のリッカルド・カラフィオーリが加入。冨安と同じポジションでできることから、序列が下がってしまった冨安の移籍にアーセナルがゴーサインを出した、という報道が出ています」(前出・サッカーライター)
これまでイタリアの名門ユベントス、インテル、ナポリ、さらにスペインのビッググラブのレアル・マドリードまで、移籍先としてその名が挙がったが…。現実は「先行きは不透明」のようだ。
それもこれも、やはりケガの多さゆえ。今回は復帰した直後にヒザのケガが再発ということで、
「冬の電撃移籍は実現しないのではないか、という見方がもっぱらです」(前出・サッカーライター)
所属クラブで厳しい状況に置かれていようが、日本代表には冨安の力が絶対に必要だ。とにかく今は完全復活を待ちたい。
(風吹啓太)