盛り上がりに欠けそうな今夏のパリ五輪で、これは数少ない優良コンテンツになりそうである。五輪アジア最終予選を兼ねた「U23アジア杯」準決勝が4月29日にカタールで行われ、日本代表はイラク代表を2-0で退け、パリ五輪出場権が与えられるアジア最強3チーム以内に入った。スポンサーやサッカーフリーク、テレビ、広告関係者を喜ばせたのである。五輪は8大会連続12回目の出場となる。
前半28分、FW細谷真大がターンでディフェンダーのマークを外し、右足でグラウンダーシュートをゴールへと流し入れた。前半42分にはFW荒木遼太郎が抜け出すと、右足で押し込んだ。サッカージャーナーリストの評価はというと、
「海外で活躍中の久保建英や鈴木彩艶を招集できず、エース細谷も途中まで沈滞して苦しみましたが、若い世代が大会中に成長しました。大岩剛監督の策も当たりましたね。主将・藤田譲瑠チマと松木玖生のコンビネーションによって中央でパス交換を行い、積極的な攻撃でボールコントロールができていました」
パリ五輪本番では24歳以上でも出られるオーバーエイジ3枠を、フル活用する方針だ。
「その候補には冨安健洋、板倉滉、町田浩樹、遠藤航、田中碧らが挙がっています。今のU23日本代表ではロングボールを放り込まれた時に、連携がうまくいっていません。ディフェンスラインをコントロールできる、リーダー的なセンターバックが必要です。そういう意味では、統率がとれる冨安か板倉のどちらかは入れておきたいでしょう」(前出・サッカージャーナリスト)
アジアの頂点に立って気持ちよく花の都へ行けるか。5月3日のU23アジア杯決勝では、ウズベキスタンとの最終激突が待っている。
(渡辺優)