激しいJ1残留争いが繰り広げられるJリーグで、サガン鳥栖のJ2降格が決定した。サガンは10月19日の京都サンガF.C.戦で0-2の完敗。2012年に昇格してからJ1で戦ってきたが、初めてJ2へと陥落することになった。
降格の原因は様々だが、主力スポンサーが離れたことなどで、2020年度から債務超過に陥り、人件費の節減で補強がままならなくなったことは大きい。選手から慕われていた川井健太監督が8月9日に解任されたことも、士気を下げた。
そんな中、10月20日付の山口新聞が報じたサガン降格決定の記事が、サッカーファンの間で物議を醸すことに。
記事では乏しい資金力の中、奮闘を続けてきた現場を称える一方で、「クラブ幹部の強引ともいえる判断が崩壊を招いた」と断言。川井監督の攻撃的なサッカーに不満を持つ幹部が「他のJ1クラブのコーチに助言を仰ぐようになった」との衝撃的な暴露とともに「同コーチは旧知の鳥栖選手、スタッフに直接指示を出し、プレーに迷いを生じさせた」。
他チームのコーチが指示を出していた…。にわかには信じがたい話だが、この報道を受けて、サッカーファンが紛糾したのは言うまでもない。例えばこんな感じだ。
「これ本当なの?八百長さえ疑われる事案だろ。きちんと調査してほしい」
「他のJ1クラブのコーチに意見を仰ぐって、事実なら相当ヤバいがどうなんだろう」
「スポーツくじがあるのに他クラブのスタッフが内部に関わっているのは大問題なのではないか」
ごく当然の反応ではないだろうか。
サガンをめぐっては、金明輝前監督が日常的にパワーハラスメントを行っていたことが、大問題になった。「お前の顔は気持ち悪い」「ハゲ」「死ね」「殺すぞ」などといった数々の暴言が発覚し、第三者委員会によるヒアリングが行われた。報告書では事実を認定した上で「こうした言動は到底許容されるものではない」と断罪している。金前監督は2021年12月20日に退任し、2022年11月からFC町田ゼルビアのヘッドコーチに就任している。
他チームからの助言問題も含め、このままチームの内部崩壊が続くようであれば、J1復帰はままならないだろう。
(ケン高田)