元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が舌鋒鋭く、日本維新の会を口撃している。
先の衆院選で、日本維新の会は大阪府内の19選挙区で全勝するなど無類の強さを発揮する一方で、全国的には公示前の44議席から38議席に減らす結果となった。橋下氏は馬場伸幸代表の責任を追及し、代表辞任を要求する事態に発展している。
橋下氏は地域政党の大阪維新の会を結成し、日本維新の会の代表も務めた。与党が過半数割れし、維新取り込みが焦点となっている中で、創業者による異常なまでの古巣攻撃に、他党はすっかり白けている。
橋下氏は維新の会共同代表の吉村洋文大阪府知事が、
〈大阪では小選挙区全勝することができましたが、全国的には厳しい結果となり、多くの仲間が及びませんでした。この結果を真摯に受け止め、あるべき方向性を目指していきます〉
と投稿すると、Xにこう書き込んだ。
〈馬場さんはキャスティングボートを握る維新の代表をやりたくてしょうがないんだろう。馬場さんの憧れの永田町自民党政治ができるからね〉
橋下氏は自身がコメンテーターを務める民放テレビ番組でも、馬場氏をコキ下ろしている。
「維新の中でも1、2を争うぐらいの古い政治家だと僕は思っていて。そのイメージが全国的に広がったんじゃないですか」
政治家が料亭などで会食しながら重要なことを決めていた「昭和の時代」と決別するべく日本維新の会を結党したと、橋下氏は言う。ところが橋下氏から見ると、馬場氏をはじめ最近の維新の国会議員は自民党と食事を繰り返し「自分たちが偉くなったと錯覚している」と映っている様子。「飲み食い政治のなれの果て」と形容し、刷新を求めてきた。ある自民党幹部は、
「後ろから鉄砲玉が飛んでくるようだと、維新とじっくり話もできない」
と漏らすのだった。
(奈良原徹/政治ジャーナリスト)